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本日の一曲 vol.440 ザイツ 学生協奏曲 (Friedrich Seitz: Pupil's Concertos for Violin and Piano, 1890s)


フリードリヒ・ザイツ

フリードリヒ・ザイツさんは、1848年6月12日、現在のドイツ・テューリンゲン州ギュンタースレーベンの農家の子として生まれ、まだ十代の1866年に勃発した普墺戦争に従軍しました。

終戦後の1869年、ゾンダースハウゼン宮廷管弦楽団のヴァイオリニストとして採用、1876年にはマクデブルク管弦楽団のコンサートマスターとなり、マクデブルク音楽学校を創立しました。

本日ご紹介する学生協奏曲5曲は、マクデブルクで出版されていますので、この音楽学校の生徒さんに使われたものだと思います。この学生協奏曲の第2番と第5番がスズキ・メソードの教本に収録されていることから、スズキ・メソードの初学者にとっては、有名曲になっています。

ザイツさんの肖像画はこちらにあります。

ザイツさんは、1884年、デッサウの宮廷管弦楽団の楽長に就任、1888年にはバイロイト音楽祭のコンサートマスターも務めたほか、ヨーロッパ各地でヴァイオリニストとして客演、活躍していましたが、1908年に引退、1918年5月22日にデッサウで亡くなりました。

ザイツさんの最も有名な生徒(おそらく孫弟子)は、マレーネ・ディートリヒ(Marlene Dietrich, 1901/12/27~1992/5/6)さんです。


協奏曲第1番 ニ長調 (Concerto No.1 D dur Op.7, 1891)

チョン・ヘジン(Hyejin Chung)さんのヴァイオリンとウォーレン・リー(Warren Lee)さんのピアノによる演奏です。ヘジンさんは、5番のところで紹介する西崎貴子さんのお弟子さんで、ナクソス・レーベルでザイツさんの学生協奏曲全曲の録音を果たしています。

第1楽章:Allegro moderato - Allegretto

第2楽章:Adagio

第3楽章:Allegretto

協奏曲第2番 ト長調 (Concerto No.2 G dur Op.13, 1893)

演奏は、アンジェイ・ワドミルスキ(Andrzej Ładomirski)さんのヴァイオリンとモニカ・クルク(Monika Kruk)さんのピアノです。

第1楽章:Allegro non troppo

第2楽章:Adagio - Andante

第3楽章:Allegretto moderato

協奏曲第2番については、演奏がいろいろありますので、プレイリストを準備しました。イツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)さんの演奏は、伴奏がオーケストラになっています。

協奏曲第3番 ト短調 (Concerto No.3 g moll Op.12, 1893)

エリザベス・グラス(Elisabeth Glass)のヴァイオリンとセバスティアン・シュトゥルマー(Sebastian Stoermer)さんのピアノによる演奏です。

第1楽章:Allegro risoluto
第2楽章:Adagio
第3楽章:Allegro vivace

協奏曲第4番 ニ長調 (Concerto No.4 D dur Op.15, 1895)

Youtubeの「ローフェイム・ヴァイオリン(Lawfame Violin)」チャンネルに公開されている演奏です。「Lawfame」はジュリアード音楽院で30年以上の教育経験があるということですが、どなたなのかは不明です。

第1楽章:Allegro moderato

第2楽章:Andante con moto

第3楽章:Allegretto

「Lawfame」さんの演奏は、ダンクラのエア・バリエの記事でも紹介しました。

協奏曲第5番 ニ長調 (Concerto No.5 D dur Op.22, 1900)

西崎貴子さんは、ドイツの起業家であり、ナクソス・レーベルのオーナーであるクラウス・ヘイマン(Klaus Heymann)さんの奥様であり、スズキ・メソードの創始者鈴木鎮一さんの直接のお弟子さんでした。

第1楽章:Allegro moderato

第2楽章:Andante cantabile

第3楽章:Rondo

その他の学生協奏曲

前に述べましたが、ヘジンさんが第6番~第10番と1楽章による学生協奏曲イ短調を録音していますので、第1番~第5番のものとともにプレイリストを紹介します。

(by R)

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