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本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、19世紀以前のクラシック音楽をまとめました。
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2024年10月の記事一覧

本日の一曲 vol.440 ザイツ 学生協奏曲 (Friedrich Seitz: Pupil's Concertos for Violin and Piano, 1890s)

フリードリヒ・ザイツフリードリヒ・ザイツさんは、1848年6月12日、現在のドイツ・テューリンゲン州ギュンタースレーベンの農家の子として生まれ、まだ十代の1866年に勃発した普墺戦争に従軍しました。 終戦後の1869年、ゾンダースハウゼン宮廷管弦楽団のヴァイオリニストとして採用、1876年にはマクデブルク管弦楽団のコンサートマスターとなり、マクデブルク音楽学校を創立しました。 本日ご紹介する学生協奏曲5曲は、マクデブルクで出版されていますので、この音楽学校の生徒さんに使

本日の一曲 vol.437 モーツァルト ガンツ・クライネ・ナハトムジーク (Wolfgang Amadeus Mozart: Ganz kleine Nachtmusik K.648, 1760s)

今年、2024年の9月にモーツァルトさんの新曲が発表されました。と言っても、古い楽譜が発見されたということで、最後の作品とされる「レクイエム(Requiem, K.626)」以後に作曲された曲ということではありません。 モーツァルトさんの作品には、オーストリアの音楽学者ルートヴィヒ・リッター・フォン・ケッヘル(Ludwig Ritter von Köchel, 1800/1/14~1877/6/3) さんが整理した目録の番号、ケッヘル番号と呼ばれ、数字の前に K. とか K

本日の一曲 vol.433 マーラー 交響曲第2番 復活 (Gustav Mahler: Symphony No.2 "Resurrection", 1894)

マーラーさんの曲紹介の4回目です。本日ご紹介するのは長大な交響曲第2番「復活」の第5楽章になりますが、これまでご紹介した大地の歌の第3楽章「青春について」、交響曲第5番の第4楽章「アダージェット」、交響曲第1番の第3楽章を併せて聴いておけば、マーラーさんのほかのどの曲についても楽しく聴けるのではないかと願っています。 しかし、「復活」の第5楽章はこの楽章だけで30~40分あるので、ちょっと辛抱して聴かなければなりませんが、この楽章だけで、オーケストラ、ソプラノ独唱、アルト独

本日の一曲 vol.426 マーラー 交響曲第1番 (Gustav Mahler: Symphony No.1, 1899)

マーラーさんは、1878年7月にウィーン大学を卒業した後、ピアノ教師、劇場の指揮者など下積みの時代に入ります。1886年に26歳でライプツィヒ歌劇場の楽長となり、1888年の28歳のときに交響曲第1番の第1稿を完成させますが、何度か改訂し、1899年の改訂が最終版になっています。 その間、1888年10月にブダペスト王立歌劇場の芸術監督に就任、1889年に両親が亡くなり、1891年にハンブルク歌劇場の第一楽長に就任、1894年に交響曲第2番「復活」が完成、1895年に弟オッ

本日の一曲 vol.420 ショパン 前奏曲第15番 雨だれ (24 Préludes Op.28 No.15 "Raindrop", 1839)

ピアニストの藤田真央(1998年11月28日生)さんの新譜が「72 Preludes」ということで、何の前奏曲かと思いきや、ショパン(Frédéric Chopin, 1810年3月1日生~1849年10月17日没)さんの作品28の前奏曲24曲、スクリャービン(Alexander Scriabin,  1872年1月6日生~1915年4月27日没)さんの作品11の前奏曲24曲、そして、矢代秋雄(1929年9月10日生~1976年4月9日没)さんの24の前奏曲の合計72曲の前奏