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本日の一曲 vol.433 マーラー 交響曲第2番 復活 (Gustav Mahler: Symphony No.2 "Resurrection", 1894)

マーラーさんの曲紹介の4回目です。本日ご紹介するのは長大な交響曲第2番「復活」の第5楽章になりますが、これまでご紹介した大地の歌の第3楽章「青春について」、交響曲第5番の第4楽章「アダージェット」、交響曲第1番の第3楽章を併せて聴いておけば、マーラーさんのほかのどの曲についても楽しく聴けるのではないかと願っています。

しかし、「復活」の第5楽章はこの楽章だけで30~40分あるので、ちょっと辛抱して聴かなければなりませんが、この楽章だけで、オーケストラ、ソプラノ独唱、アルト独唱、合唱と盛りだくさんなだけでなく、大いに盛り上がって満腹になって終わりますので、ぜひ最後までお聴きになってみてください。簡単に言ってしまうと、マーラーさんの音楽は、死ぬことへの恐怖と生きることへの悦びとからできていると思いますが、これらがぎゅっと詰まった音楽になっています。

演奏は、録音のよいデッカ・レーベルのゲオルグ・ショルティ(Sir Georg Solti)さん指揮シカゴ交響楽団(Chicago Symphony Orchestra)によるもので、イゾベル・ブキャナン(Isobel Buchanan)さんのソプラノ、ミラ・ザカイ(Mira Zakai)さんのアルト、シカゴ交響合唱団(Chicago Symphony )の合唱が加わります。

交響曲第2番は、第1楽章で「汝は何のために生まれてきたのか」という問いかけがあり、第5楽章は、その解答になります。突然の雷鳴で幕を開けますが、マーラーさん自身のことばでは、「最後の審判が告げられ、恐怖が襲う。死者たちは次々と墓を出て列を成す。すべての人々は逃げまどい、救いを求めて絶叫する」と簡単ですが、曲としては約20分間「恐怖」と「悦び」の間をのたうち回ります。簡単に色分けすると、弦楽器が人、木管が情景、金管が審判者になるかと思います。

そして、20:20あたりから無伴奏の合唱がそっと始まります。21:45あたりからソプラノ独唱が加わり、26:38あたりからアルトが加わり、最後は全員の大合唱と演奏で大いに盛り上がって曲が終わります。

歌詞は、ドイツの詩人フリードリヒ・ゴットリープ・クロプシュトック(Friedrich Gottlieb Klopstock, 1724/7/2~1803/3/14)さんの賛歌「復活」とマーラーさん自身の加筆によるものです。マーラーさんの加筆は「我は死なん、生きんがために!よみがえらん、まことに汝はよみがえらん」というところになります。

歌詞の全体は、ウィキペディアをご覧ください。

マーラーさんの音楽は、交響曲と声楽が主であり、動画といっても、オーケストラが映されるばかりで面白みに欠けるかもしれませんが、指揮者によっては、その指揮ぶりによってどのように曲を解釈しているのか分かることも多いと思います。そのような意味で、レナード・バーンスタイン(Leonard Berstein)さんがマーラーさんの曲を指揮したものがとても分かりやすいので、おすすめします。

全曲のプレイリストとしては、レナード・バーンスタインさん指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic)の演奏のものを紹介しておきます。ソプラノはバーバラ・ヘンドリックス(Barbara Hendricks)さん、アルトはクリスタ・ルートヴィヒ(Christa Ludwig)さん、合唱はウエストミンスター合唱団(Westminster Abbey Choir)です。

(by R)

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