【読書日記】「短歌のガチャポン」穂村弘
良き詠み人であり、読み手でもある。
穂村弘を私は信頼している。
短歌を詠むことには何度もチャレンジし、挫折している。
考えてみれば誰に見せたこともなく、聞かせたこともないのだから勝手に自分でダメ出しし、勝手に挫折しているだけなので、前進後退の度合いがわかっていない。
こういうところが私には多々ある。
私の推している岡村靖幸のFC「DATE」(なんてロマンチックなFC名だと思いませんか?岡村はコンサートのことを「DATE」と呼ぶのですよ)の企画に、「短歌ご一緒しませんか」というものがある。先日のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で「存命なう」という予告も非常にらしいと思えた俵万智を講師にむかえ、岡村とファンクラブメンバーが短歌を学ぶというもの。お題が出され、それについての短歌を詠み、俵万智が優秀作品を選ぶ。
ミュージシャンのファンクラブとしてはかなり異色な企画ではなかろうか。
当初は選ばれたいという欲にまみれてガンガン短歌を詠んでいたが、かなり短期間で力尽きた。
私には圧倒的に基礎力がない、短歌の。
そんな私にとって良き詠み人であり、読み人でもある穂村弘の本はとても良い参考書となる。
というこちらの本、右に短歌がひとつ、左に穂村弘の解説やその短歌にまつわる様々なことが簡潔に書かれている。
最初の30ページはメリンダ・パイノのイラストと短歌、とても不思議な世界観。
短歌は、自分でその歌がどんな情景を、心情を詠んだものかを想像するのも楽しいが、良き読み人にその作品の背景を解説してもらうと何十倍も興味が増す。
今回私が好きだった歌をひとつ。
本当はメロンが何かわからないけどパンなりにやったんだよね 砂崎柊
なんて自由なの!
まずは良き読み人を目指すことにする。話はそこからだ。