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やめたいけど、でも・・・

「お酒は止めたい、でも止められない」がいつの間にか父の口癖になっていました。

心と身体に伴走するヒプノセラピスト麻夢です。アルコール依存症で苦しんだ父との回顧録です。

父は早くから持ち家を建てました。
専業主婦の母、私立学校に通う弟と私。週末は、家族で外食。
私がアルバイトをするといえば、家はお金には困ってないと反対する父。
一見、幸せにも見える家族でした。

今、思い出すこと。私たちが寝てから母が寂しそうに嗚咽をあげていたこと。当時は私が小さくてなぜ母が泣いているのかわかりませんでした。

父は呑み方が少しずつ酷くなっていきました。家庭の中が次第に崩れていったのです。
普段は優しくて大人しい弟が泣いて、呑んでいるお父さんは嫌いだとテーブルの食事を投げ出したことがありました。呑んで横になる父を横目に母・弟・私と3人で気を紛らわすためにテレビを見ていたことも。

吞まなければ優しくて家族を思う父がお酒におぼれていく。それを見てただ時間が過ぎていく毎日。悲しむ母の顔を見るのもつらく、働き始めてから家にいる時間さえも短くなっていきました。

みんながお酒を止めさせることに必死でした。

お酒を呑むことが✗
お酒をやめたら⭕

なんか違う
父がそれを言葉にしたのです。私たちに泣きながら言いました「やめられるなら、やめたいけどそれができない」

父のお酒を止めさせるのではなくて、お酒を呑む父も受け入れるということが私に必要だったなと今は思います。

お酒だけに限らず、やめられないことは執着や依存。それに蓋を閉めずに向き合うことがまず最初の一歩です。

父が亡くなり、マインドフルネスを学び続けた今ようやく思えるようになったのです。



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