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《七十二候》霜始降‥しもはじめてふる
『霜始降‥しもはじめてふる』
10月23日から27日頃
二十四節季では「霜降=そうこう」
そして七十二候では「霜始降」
露が凍り霜となり、木々が紅葉し始める頃となりました。
『草露白』でお話した朝露が
朝霜となる頃です。
初霜マップを広げると、北海道そして盛岡などで今年初めての初霜が観測されていますが
全国的には、まだ霜が降りるほどではないという所も多いですよね。
先日、わたしの住む山陰地方でも
寒気の影響で最低気温が10度を下回り
朝、目が覚めると白い霧の世界でした。
子供の頃、霧に包まれる通学路は
雲の中に入ったようでちょっぴり嬉しかったことを思い出します。
霧で濡れた前髪も、先の見えない濃く深い霧も
大人になればそうでもないのに‥。
霜が降りるのはまだ少し先のようですが
山の方で少しずつ木々の色づきが始まり
冬が近づいていることを教えてくれます。
黄金色の銀杏の葉も
真っ赤なもみじにも早く会いたいな。
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霜を使った美しい日本語は
数多くあります。
星霜(せいそう)
霜天(そうてん)
霜夜(しもよ)
北国では冷え込みの厳しい早朝
窓の内側に現れる美しい模様の霜を
「窓霜」まどしも
そして寒さがひしひしと伝わってくるような
夜のことを、露を結ぶ時の音が聞こえるという意味で「霜の声」と表すそうです。
なんてロマンティックな表現なのだろうと
感嘆してしまったわたしなのです。
霜の声‥。聞いたことありますか。
寒くて目が覚めてしまった夜更けに
耳を澄ませば、静寂の夜の淵で聞こえてくるかもしれませんね。笑
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朝霜の消易き命誰がために千歳もがもと我が思はなくに
【現代語訳】
朝霜のように短い命なのにあなたのために
千年も生きたいと思うのです
美しい和歌に触れると、心のずっと奥が
透き通るような気持ちになります。
朝霜のようにいつ現れるか分からない
そして現れても儚く終わりを迎えてしまう‥
そんな短い一瞬だとしても
心で永遠を願うことは自由で‥。
朝霜から生まれた和歌の美しさが
心に沁みて物思いに耽りたくなるのです。
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さて、この時期は
こちらの『菊花開』でも紹介した
日本最大のフラワーパーク「とっとり花回廊」の玄関はハロウィン🎃仕様。
たくさんのカボチャたちが迎えてくれました。
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ハロウィンの発祥はヨーロッパの古代ケルト人が行っていた祭礼「サウィン(Samhain)夏の終わり」が起源。
秋の収穫を祝うとともに
悪霊を追い払う宗教的な行事として
古代ケルト人の暮らしに根づいていたもので
日本では、1970年代に洋菓子店などが販売促進のために「ハロウィン」を取り入れたのが
最初だといわれています。
ハロウィンといえばかぼちゃと思っていましたが実は正式には「カブ」を使うのだそうです。
カブをくり抜き、焚き火を焚いたり仮面を作ったり。
現在でもアイルランドやスコットランドではガブを使いランタンを作っているようです。
ハロウィンにも仮装にもあまり馴染みがない
わたしですが
秋色に彩れた景色は心躍る気持ちが
します。
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もうすぐハロウィンですね。