【七十二候】雉始雊‥きじはじめてなく
『雉始雊‥きじはじめてなく』
1月15日から20日頃
日本の国鳥であるキジがケーンケーンと
求愛を込め鳴く頃となりました。
キジは昭和22(1947)年に日本鳥学会により国鳥に指定されました。
国鳥として選ばれた理由には
母性愛が強いこと、そして勇気ある鳥であることなどが挙げられています。
野原を焼かれた雉は、残してきたヒナを思い
危険を顧みることなく、懸命に巣に戻ろうとするほど母性が強く
鶴は、霜の降りる寒い夜でもヒナを自分の羽で優しく包み暖めてあげるほど子を思う気持ちが強いたとえ。
雉のメスとオスでは見た目がまったく違います。
オスの顔には赤い肉冠があり繁殖期には大きなハート型に膨れ上がります。表面にも出てしまうほど、その求愛が隠しきれないのかな。笑
と思っていましたが縄張りの意味もあるようです。
メスの目の下には、白いアイラインがあるのが特徴です。目の周りに赤みがかかっている雉も。オスに比べ目立たない色をしているのは
敵に見つからず、子を守るためなのでしょう。
生まれもっての強い母性愛からなるものなのかもしれません。
雉のメスは、たくさんのオスから求愛され
その主導権はメスにあることが多く
気のない相手に対して素っ気ない態度をして
焦らしてみたり‥。
私達人間の世界と同じように、押したり引いたり‥そんな恋の駆け引きが繰り広げられているんのかもしれませんね。
たくさんのオスから求愛されるなんて
羨ましい限りです。笑
ケーンケーンと甲高い声で鳴いた後
バサバサと羽根を震わせます。
母羽打ち(ほろうち)と呼ばれるその動作は
早朝から夕方まで続き
自分の存在をメスにアピールしているのです。
とても積極的な鳥さんですね。
今回の雉についての記事を書くにあたり
鳴き声は耳にしたことはあるのですが、その姿に逢えたことのなかった私は、以前にもお話を聞かせてもらった鳥取県にある米子水鳥公園のスタッフの方に連絡を取り、質問しながら教えていただきました。
残念なことに、この時期は雉の姿を見かけることは少なく春先になると、土手などを歩いている姿に出会えることも多いとか‥。
今日も山の方へと続く道を運転しながら
どこからかひょっこり出てこないかしらと期待していましたが、やはりその姿には出逢えず‥。
春先にどこかで逢えたらいいなぁ。
先日の早朝。気温マイナス3度。
カーテン越しに外を覗くと、車のフロントガラスはバリバリに凍っているのが見えました。
仕事がお休みということもあり
ストーブの前からなかなか離れられなかったのですが、こんな時こそ!今しかないものを撮りに行かなきゃと‥。
駆り立てられるように外へ出ると‥
うっすらと白いベールを被った植物たちは
いつもとは違う表情を見せてくれました。
寒すぎたせいか外を歩く人の気配もなく
霜の世界へポンと降り立ったかのように静かな時間がそこにはありました。
空から降りてくるわけではないのに
霜がつくことを「降りる」と表現しますよね。
白く覆われた朝の風景を見て
昔の人々は驚き、雪のように空から舞い降りてきたと思ったのでしょうか。
上空に雲がある日であれば
雲がお布団のようになり、地面が冷えにくくなります。風がある日であれば、周りの空気と混じるため冷え込みは弱くなります。
風も弱く穏やかで晴れることにより
放射冷却が発生しやすい条件が揃います。
そして、気温がおよそ5℃以下まで下がった朝に、地面付近の温度は気温よりも数℃低い0℃以下となり霜が発生しやすくなるのです。
これから春が来て、新芽が育つ大事な時期に霜害などが起こりませんように‥と願うばかりです。
さて先日、桜の開花予想が発表されましたね。
毎年この開花予想が出ると、春が一歩ずつ近付いているようで嬉しくなるのです。
そして、同じ頃、私の元に梅の開花情報も。
早速、梅園へ行ってみると、ピンク、白色の梅の花が数本の木に少しずつ咲き始めていました。
春がまた一歩近くなりましたね。