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あいみょんの中の人は70年代生まれじゃないのか

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かぎりなく優しい”死の匂い”

なんという矛盾だろうか。

楽曲のタイトルの「双葉」といえば、芽吹きだし、春だし、生命力である。
であるが、この曲を歌っているのは、死の匂いに包まれた、おそらくは父親である。『双葉』とは固有名詞であるのか、上のメタファーのようなキラキラしい存在ということの表現であるのか。おそらくは「彼」の娘であり、「彼」は、彼女に向けて語りかけている。

「サヨナラが近づいている」

男女の甘酸っぱい別れのように
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言葉にならない・・「空の青さを知る人よ」

イントロで「あいたいよ」と連呼している楽器はなんなのだろうか?
擦る系の、例えばギロみたいなものなのか、シンセの合成音なのか。

あえて歌詞に「あいたいよ」と入れなかったのは、それこそ「言葉にできない心の叫び」だからなんだろうな、と思う。

「今でも会いたいよ」と言葉にできるなら、その傷はそんなに大きくない。
傷の大きさと、相手への関係性は必ずしも比例するものではなくて、カッターで指先を切ったよう
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あいみょんの中の人は70年代生まれじゃないのか・・・「さよならの今日に」

いきなりイントロからギターが「泣く」。
あまりにもストレートなロックンロール。
オールドロックンロールとでも言おうか。
こんな どストレートなロックが21世紀にあって良いのかというくらい「古い」。

それにしても、何故彼女はこれほどの絶望を歌うことができるのか。
「失われたもの」への愛惜は、多くのミュージシャンが歌ってきた。
だが、だいたいにおいて、それはミュージシャンの年齢的なものもあり、「全て
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今・未来・過去・・・「青春と青春と青春」

のんびりとした青春ラブソング。
しかし、この歌の不思議なところは、この「青春」が、いつのことなのか曖昧模糊になっているところだ。

「恋をした夢を見た」
この言葉は、オーディエンスの現実でいかようにも解釈できる。
今現在、青春を謳歌し、恋をしている人には「夢のような恋をしている」意味になり、まだ恋が始まっていない人には、酸っぱく、じれったい「夢」を見た意味になり、恋を夢見る人にとっては「いつか来る
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