【初級】スマホを1日何時間使っているか惨状を知ってノートにメモする
前回の記事の予告通り、「スマホ断ち」「脱スマホ」「スマホ依存からの脱却」のための方法論を、何件か記事として投稿していきます。
【初級】【中級】【上級】がありますが、基準は
【初級】→誰でも実践可能。
【中級】→スマホ依存が激しい人用。
【上級】→明らかに依存症の要件を満たしていて、人生がめちゃくちゃに壊れてしまっているレベル(日常生活に重大な影響が出てしまっている)の人用。
という感じです。
【初級】はともかく、【上級】ともなると、世間一般の常識ではとても考えられないことを提案すると思います。ですが、ひどい依存症まで陥ってしまっていると、このくらいまでしないとならない、ということで、ご理解ください。
さて、最初の記事は【初級】からです。
現代社会でスマホを使っている方、すべてにおススメしたいテクニックです。
前半の「1日の利用時間を知る」はキャサリン・プライス『スマホ断ち 30日でスマホ依存から抜け出す方法』でも紹介されていますが、後半の「ノートにメモする」というのは、筆者独自の方法です。
まずは計測
2024年6月現在、iPhoneでもAndroidでも、
・自分が1日に何時間スマホを見ているか
・何のアプリをどれだけ見ているか
・1日に何回持ち上げて(ロックを外して)いるか
などの、スクリーンタイムを計測できる機能が、標準機能として搭載されています。
これをONにして、1週間ほど使ってみましょう。
「自分は1日何時間くらい使っているだろう?」と、あらかじめ予測を立ててどこかにメモしておくとよいでしょう。だいたい、「せいぜい1~2時間くらいでは?」と予想するはずです。
1週間後、答え合わせです。
ほとんど全員が、自分の予想を大きく超える結果に驚くはずです。
『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』の筆者、アダム・オルターのような、専門の知見を有する心理学者でさえ、
「1日1時間くらいかな?」
→「1日3時間超!?!?」
→「しかもこれって現代アメリカ人の典型例!?!?!?」
とビックリするくらいです。
私たちのような、朝から晩までスマホ・スマホ・スマホのスマホ中毒者なら、なおさらです。
私は最初に測った時に、1日10時間を超えていたことがあって、吐き気がしそうになりました。
そりゃ、首も肩もガチガチになるはずですよね。
ノートにメモする
さて、ここまでが『スマホ断ち』で紹介されていたテクニックですが、そこから更に推し進めていきましょう。
適当なノートを買って、「スマホ断ち/ネット断ち日記」を書きましょう。とはいえ、普通の日記を書いているのなら、それで結構です。
ただ、
・日付
・スマホのスクリーンタイム
・一番使っているアプリ
が、1か月単位くらいで一覧にできるようなページを作っておくといいですね。
というのも、iPhoneはともかく、Androidの場合、Digital Well-being(スクリーンタイム)の記録はせいぜい2週間程度しか保存されません。
ですから、数日に1回、その日に何時間何分スクリーンタイムがあったか、一番使ったアプリは何か、というのをメモしておくとよいでしょう。
最初は毎日7時間とか5時間超とか、惨憺たる時間数が書き込まれると思いますが、これらの記事に書いてあることを実践していくと、徐々に減っていきます。
毎日1時間未満で数週間継続できればしめたものです。
依存から脱するためには2週間では不足ですが、4週間では十分なことが多い、とアンナ・レンブケ『ドーパミン中毒』にはありました。
アルコールや大麻のような高ドーパミンの物質依存の大多数が、4週間で依存から抜けることを考えると、それよりも軽度の依存と考えられるスマホ依存・ネット依存も4週間あれば十分な場合が多い、と考えられます。
ただし、もしあなたが数十年・あるいは1日10時間超の重症のスマホ依存・ネット依存・ポルノ依存だった場合、4週間では足りない可能性があります。
ゲーリー・ウィルソン『インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学』には、ポルノ断ちをはじめて依存から抜けきる「再起動」には90日が一つの目安であり、ネットポルノの場合中高年より若年層の方が離脱に時間がかかる、と書いてあります。
つまり、もしあなたが小中学生の頃から十数年~数十年の重度のスマホ依存・ネット依存・ポルノ依存だった場合、4週間では満足の行く結果が得られないかもしれません。
ですが、本当に依存から脱したいのであれば、ゆっくりですが着実に回復していますので、あきらめずに辛抱強く継続してみてください。
筆者の場合は、中学生からの十数年の依存で、1日15時間以上ネットとスマホとポルノを摂取することもしばしばでしたが、それでも3週目から目に見えて楽になってきました。裏を返すとそれまではフラッシュバックやら不安感やら倦怠感やら様々な症状がありました。
ですが、アルコール中毒や覚せい剤依存のように、「アレがないと手が震える……!」という身体症状を生じることは、極めて稀なようです(樋口進『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』より)。
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