Sakura

編集デザイナー。 ヨーロッパに7年滞在し、28か国を旅しました。 犬と鳥、自然が大好きです。

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編集デザイナー。 ヨーロッパに7年滞在し、28か国を旅しました。 犬と鳥、自然が大好きです。

最近の記事

幸せって何だろう?

「幸せになりたい」とよく思うのですが、幸福ってどういう状態だろうと考えています。とてもハンサムで優しくて稼ぎも良い男性が恋人になってくれた時に幸せだと感じるのでしょうか?それとも憧れていた大企業に入社できた時でしょうか?人はうつろう動物です。その時はとても幸せだと感じていても、次第にそれが当たり前となり、新たな短所を見つけるようになります。いつも幸せでいるには、自分が幸せであると感じるように自分を飼い慣らす必要もあるのかもしれません。今日も美味しく食事が頂ける、雨風を防いでく

    • アリとセミ

      家の菜園の地面には小さな穴が沢山あいていて、樹木の葉の影ではセミが羽化しています。この間、庭の手入れをしていると、大勢のアリに絡まれているセミの幼虫がいて救出しました。夏の終わりには、もうすぐ寿命を全うしようとしているセミが道に落ちていますが、アリは彼らを放っておきません。まだ生きているのに群がります。アリは本当にガラが悪いと言うか、残酷と言うか、好きになれない昆虫の一種です。 私は昆虫には心がないといいなと思っているんです。もし昆虫がロボットみたいに動いているだけなら、ゴ

      • 晩御飯に悩む毎日

        母が病院に搬送されて4か月、春頃までは食卓には色々な私の好物が並んでいたものですが、母が入院して1人で暮らすようになってからは毎晩食べる料理は一品だけです。例えば昨日は冷やし中華、一昨日はナポリタン、その前の日は麻婆豆腐丼でした。ご飯は電気釜ではなく(電気釜はうちにはありません…)土鍋で炊きますが、週末に6合炊いて冷凍にしたものを平日に食べます。そんな生活をしているせいか、4月から体重が4キロ減りました。更年期になってから7キロ太ったので、4キロくらい痩せてちょうど良いのです

        • 卵料理

          英国は食事がまずいということで世界的に有名ですが、唯一認められているのがイングリッシュ・ブレックファーストです。イングリッシュ・ブレックファーストは卵、ベーコン、ソーセージ、焼きトマト、ベイクドビーンズ、トーストがセットになっています。イギリスのソーセージは水分が多くスカスカなので肉100%のドイツのソーセージとかと比べるとそんなに美味しいものではないのですが、朝食で食べるとなぜか美味しく感じます。そしてお題の「卵料理」はボイルドエッグ、フライドエッグ、スクランブルエッグから

          ミャンマー

          今は軍事国家となってしまったミャンマー。そこにはかつて民主主義を夢見た物売りの少年たちが放課後に一所懸命働いていました。彼らはいつかミャンマーが開国することを夢見て、英語と日本語を懸命に学んでいたのです。「大丈夫、僕らはにはアウンサンスーチーがいるから!」が彼らの合言葉でした。ミャンマーに滞在している日本人もとても素晴らしい方々で、格安で子供達に日本語を教え、彼らの夢を後押ししていました。印象深かったのは、ミャンマーに到着したばかりの時、小銭がなくバスに乗れないでいると、ミャ

          ミャンマー

          スリ空き巣にご注意!

          夕暮れ時、買い物袋を下げてぷらぷら帰宅すると、家の目の前にバイクにまたがった男が辺りを見回している。男を一瞥して門をくぐり、灯りがついた家の中へ大きな声で「ただいま」と言って家に入った。家の中には誰もいない。心臓が少しだけバクバクしている。空き巣の偵察かと思ったのだ。 翌日その話を会社でしたら「考えすぎじゃない?」と同僚に言われた。そうかもしれない。でも7年間ヨーロッパでスリや空き巣を散々見てきている。主に滞在していたのは英国だが、中でもイタリアはスリや泥棒がヨーロッパで多

          スリ空き巣にご注意!

          Happy Eggs(2000字強の小鳥を題材にした童話です)

          バーディは雪のような白い羽根に包まれたとても愛らしい小さな鳥でした。あまりにも愛らしいので、小鳥屋さんにいる頃は、意地悪なキンカチョウの兄弟に尾を引っ張られて、よくからかわれたものでした。こうしてバーディの自慢の美しい長い尾はすっかり短くなったわけですが、バーディの円な黒い瞳は沢山のお客さん達の目にとまりました。ある暖かい春の朝、バーディは一人のお客さんをことごとく魅了し、黒蝉おじさんの家にお嫁に行くことになりました。 黒蝉おじさんは、蝉のような形をした黒い翼を持つ小さな鳥

          Happy Eggs(2000字強の小鳥を題材にした童話です)

          28カ国の追憶 -旅のお話-

          01 カステラ 子供の頃から「カステラ」はポルトガルのお菓子だと思っていました。一度本場の「カステラ」を食べてみようと、リスボンで「カステラ」を買い求めたのですが、味はただのスポンジケーキ。帰国してインターネットで検索してみると、カステラは現在のスペイン辺りにあったカスティーリャ王国のお菓子で、「これはカステーリャ王国のお菓子です」と訳されたことから「カステラ」と呼ばれるようになったそうです。実は同じようなことを「プリン」でもしていて、バルセロナで有名な「フラン屋」さんに行

          28カ国の追憶 -旅のお話-

          はじめてのnote-おかあさん-

          プロローグ 年末から母の容態が芳しくない。白血球が激減し2週間ほど入院をしてしまった。その後、体のあちこちに支障が生じ、医者からはなす術がないと言われて匙を投げられている。そんな母がある日耳鼻科に行き、医者に癌かもしれないと告げられた。なのに、母の目は喜びで輝いている。母の話によると、何でもその耳鼻科の先生は、今までの先生とは違い、優しく丁寧に診察してくれてとても嬉しかったのだとか。孔子は人にとって一番大切なのは「思いやり」を持つことだと言う。もしかしたら「希望」というものは

          はじめてのnote-おかあさん-