文学の同人誌を作って頒布するまで #0 (PR会議編) - 文フリ東京125日前
文フリで(あるいはそれ以外でも)縁のあった6名で合同誌を発行することになりました。純文学・BL・分析美学の書き手が集まって、2024年5月19日の文学フリマ東京38での頒布をめざします。
参加者のなかから石田・鈴木がサークルのPR担当になったものの、何をすればよいのやら……ということで土曜夜にオンライン会議をすることになりました。
石田「すみません、突然お呼びたてして」
鈴木「いえいえ PR方針を決めないとですもんね」
石田「とりあえず元旦にXのアカウントは作りましたけど、これからどうするかですね」
鈴木「どうしますかねぇ〜」
石田「そもそも雑誌のタイトルもまだ決まってないし」
鈴木「うーん……」
石田「久湊はどう?さっきから会議入ってるけど」
編集部員・久湊(マイクONにして)「あ、ごめん靴洗ってた」
鈴木「磨くんじゃなくて?」
久湊「なんというか……もっと根本的な問題があるような気がして」
石田「綺麗になった?」
久湊「いや、乾いてみないとよくわからない。今物干し竿の両端に靴が引っかかっている状態」
石田「なるほど」
鈴木「うーむ」
ゴールは「文学フリマで同人誌を一〇〇部売る」こと!
石田「とりあえず、なんか決めますか」
久湊「どこから決める?」
鈴木「今日は何を決める! っていうのがあるといいですよね」
久湊「具体的な目標が必要なんじゃない? PRすることで何を達成したいかっていう」
石田「PRで達成したい目標ねえ……」
石田、teams上のNotesに文字を打ち込んでいく。
石田「これでどう? べつに100部という数字に深い理由はないけど、ひとりでも多くの未来の読者に届けるという意味で」
鈴木「いいんじゃないでしょうか、夢は大きくということで」
久湊「裏目標として持っておくのはアリなんじゃない。それを分解して行動に落とし込めれば」
石田・鈴木「うん」
ターゲットは順序立ててアプローチ
石田「じゃあ、『文フリで一〇〇部売る』ためにPRしていくとして、それは誰を対象にしてやっていくのがいいのかな。つまり、ターゲットは誰なんだろう?」
鈴木「やっぱり、第一義には文フリの参加者ですか? いちばんイメージしやすいのは他の出店サークルさんかな?」
石田「たしかに。他のサークルがどんな作品を出してるのかは出店者がいちばん敏感にチェックするだろうし」
鈴木「来場者さんにもアピールできればいいんですけど、直前とか当日じゃないとなかなか見えにくいということもあるので、そちらは拡散された結果としてリーチできていればいいのかなと」
久湊「ふむふむ」
石田「あとは、いわゆる読書クラスタとか同人誌クラスタとか、まだ文学フリマに参加したことはないけど『本が好き』、『文学に興味がある』という人も呼び込めたら理想ですね」
鈴木「じゃあ……」
鈴木「こんな順番で届けていく、ということで」
石田・久湊「異議なーし」
ゴールをどう達成する?① 人気サークルを参考にしてみる
石田「じゃあ、実際に『文フリで一〇〇部売る』というゴールを達成するために、具体的に何をどうPRしていけばいいんだろう」
久湊「100って相当な数だよ。文フリに参加して一度もそんなに売れたことないよ」
鈴木「うーん……」
石田「実際に100部売ったサークルさんのやり方を見てみる」
石田「文フリ東京37で頒布された『鳩のおとむらい』。文字通り「鳩」をテーマにしたアンソロジーです。独創的な世界観もあってすごく完成度の高い作品集なんだけど、このブログによると売り上げの内訳は……」
久湊「105部。めちゃめちゃ売れてるな」
鈴木「アンソロジーで77人ぶんの作品を取りまとめるって凄いことですよね」
久湊「でもたしかに77人の作家それぞれに、ひとりずつでも固定ファンがいたとすると、それだけで77部は売れる」
鈴木「それがアンソロジーの面白さであり、強みということ?」
石田「逆に言えば、最低70人くらいは文フリ当日までの段階で『この本を買おう』って思ってもらえていないと、当日100部頒布は達成できないのでは?」
久湊「なるほど?」
石田「もちろん会場で通りがかりにパッと見て買ってくれる人もいるかもしれないけど、めちゃくちゃ頑張っても3~40人くらいが限界じゃないかな。体感としても」
鈴木「ということは……」
久湊「いやでもこれ、どうやったらいいか分からないな」
ゴールをどう達成する?② SNS拡散の指標
石田「PRすることで、ターゲットにどうなってほしいか考えたんだけど……」
石田「で、【1】→【2】→【3】の順に、買ってもらえる確率は上がっていくんじゃないかなと。
まずは知ってもらうこと。次にそのコンテンツやサークルを好きになってもらうこと、一番強力だけどハードルも高いのは、『自分もその作品になんらかの形で参加している』と思ってもらうこと」
鈴木「ふむふむ」
石田「その観点で、さっきの『鳩のおとむらい』についての『文フリ前日お知らせ』ポストを見てみると……
リポストといいね(青枠)が140~170件近く。インプレッション(黄枠)は5.8万もついてる。
77人の作家自身によるリアクションを除外すると90人が「いいね」して、関連するポストを含めたら合計7万近い回数、投稿が誰かの目に止まった可能性がある。パッと手に入る情報からものすごくざっくりカウントした数字ではあるけれど、とにかくこれが『認知』のひとつじゃないかと思うわけで。つまり……」
とか、仮に置いてみたらどうだろう。ファンになってもらうにせよ、共犯者になってもらうにせよ、このくらいは認知されないと始まらないという指標として」
鈴木・久湊「なるほど」
新しいSNSにもチャレンジしてみる
鈴木「何を使ってアピールしていけばいいですかね。Xとnoteはアカウントを作りましたけど」
石田「Instagramとか? どのくらい効果あるか未知数だけど……」
久湊「Threadsは? 最近よく見かけるし、Xと同じテキストベースのSNSだから結構フィットしてる気がする」
鈴木「Threads」
石田「Threadsね」
久湊「うん」
一同、しばし沈黙。
久湊「え、もしかしてやってないの? Threads」
鈴木「うん」
石田「お恥ずかしながら」
久湊「令和なのに?」
鈴木(ググる)「あれ、でも文フリ公式もやってますね」
久湊「へぇ、思ったより動きがあるね」
鈴木「あれ、知らなかったんだ」
久湊「うん、僕Threadsやってないし」
石田「……」
鈴木「……」
石田「……まあ、よくわからないけどやるだけやってみますか?」
鈴木「そうですねえ」
久湊「そんなんでいいの?」
(↑フォローよろしくお願いします!)
noteで議事録を書いてみる
鈴木「あとはnoteですね」
久湊「何を書くか?」
石田「読み物としてはある程度の分量がないと厳しいよね」
久湊「かといって、作品の執筆もあるし」
鈴木「制作の裏側も含めて、ドキュメント的に見せていくのはどうでしょう。わいわい会議をやってる様子が伝われば、同じように文フリに参加を考えている人にも情報性のある内容になるかも」
石田「というと?」
鈴木「議事録を公開しちゃう、とか」
久湊「なるほど」
石田「じゃあいっそのこと、もう、この会議自体からはじめちゃったらどうだろう」
久湊「今の、この話し合いの様子からってこと?」
石田「そうそう。それで毎回、PR担当の鈴木・石田が進行して、ゲストで誰か他のメンバーにも来てもらう、みたいな感じで。『企画編』『校正編』『デザイン編』とか、決めなきゃいけないことはいっぱいあるわけだし」
鈴木「今回は久湊くんがゲストだね。内容は『PR会議編』でしょうか」
久湊「……え、俺今日なんか爪痕残せてる?」
石田「いいんじゃない? その感じで」
ということで、今回はこんなことが決まりました。
こちらのnoteアカウントでは今後、「文学の同人誌を作って頒布するまで」と題して、合同編集部6名による制作過程のドキュメントを公開してゆきます。
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