心地の良い悪夢
眠れないんです。全然、全然眠れないんです私。
何をしても、何をやっても、どう頑張っても眠れない。どうしたら眠れるのか、どうやったら眠りにつけるのか、そんなこと考えて一日中、無駄に時間を過ごします。
巷で聞いた快眠方法、手当たり次第試してみても、穏やかに眠れることはなく、病院で出された錠剤を、バリボリ砕いて飲み干したって、安らかに眠れることもなく。
あぁ、どうしたら私は穏やかに、緩やかに、眠りの境地に辿り着けるのか。
考えて、考えて、考えて。
考え尽くして、考えあぐねて、眠り損ねる、そんな日々です。
夢喰い貘は言いました。『お前がいつか悪夢をみたら、その時はわたしが全て食べてやろう。』と。
だけども私はそのいつか、なんて全く待てない信用できない。だから貘を頭から、バリボリ噛んで飲み干した。
そしたら、急に眠たくなって。私は、
とうとう、
うとうと。
まぶたがくっつきはじめました。
ああこれで、ようやっと眠りにつける。
そう思ったら。
いつのまにかわたしは貘で、眠れない悪夢を見続ける誰かの、そんな悪夢を食べていたました。
わたしはきょうも夢の中、美味しく悪夢をを食べ続けます。
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