ぱちぱちと
少しだけ空気の乾いた夕方に、ベランダに出て焚き火をする。
焚き火って言ってもそんな大したものじゃない。というより、あんまり本格的にやりすぎると煙やら何やらで色々大変なことになってしまうので。
紙コップとか割り箸とか、ちょっとしたゴミを燃やしてみる。
あとはその辺で拾ってきたよく燃えそうな枝。松ぼっくりはよく燃えるので燃料になる。
ライターで火をつけて、ちょっとずつ火を育てていく。
消えないように、大きくなりすぎないように。
パチパチと火の粉が跳ねる音、シューシューと枝の中の水分が蒸発していく音に耳を委ねる。ゆらりと燃える炎は、熱くて、暖かくて。
ぷしゅう。
煤と一緒に、なんだか体の中から黒いモヤっとしたのが抜けてく感覚がする。目には見えないけど多分、積もり積もった黒いやつが、ぷしゅう〜って、抜けてく。
淡い夕焼けに沈む空に、すうっと溶けて無くなるように。
はぜる火の粉が、頬の産毛をくすぐるように。
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