遅れてきた反抗期。
「遅れてきた反抗期」と、父は皮肉った。
当時、ぼくは20代。
思春期は過ぎ去ったタイミングだったけど、自他ともに認める「反抗期」だったことは、間違いない。
原因は、仕事のストレス。
上司に気を遣う毎日を送り、
仕事のことで頭がいっぱいの日々。
心は休まることはなく、常にイライラ。
一人になりたい。うるさい。どっか行け。
いま振り返ると20代とは思えないほど幼稚だったけど、あの時は自分のことで精一杯。
中高時代は反抗期もなく、いわゆる「良い子ちゃん」で育ったから、親とケンカもしたことがない。だから、余計にどうすればいいか分からない。そして結果的に、感情をシャットダウンするという手段に出ることにした。
笑顔もなければ、怒りもない。
まさに「無」の状態ーー。
心が、空っぽだった。
当時は実家暮らしだったけど、
とにかく親から距離を置き、
殻にこもっていた。
そうした状態が変わったのが、
派遣として働き始めたあと。
正社員というストレスフルな働き方から身を退いたことで、余裕が生まれた。一人暮らしも始めた頃だったので、自由も手にした。
心のキャパが増えると、
怒りは一気に消え去る。
両親にも平常心で接することができるようになり、兄弟とも10年ぶりくらいに普通に会話ができるようになった。
そして派遣として2年勤め、その後にフリーランスになったことでさらに色々な呪縛から解き離れ、心のキャパがこれまで以上に増えた。
「遅れてきた反抗期」と父に揶揄されることもなくなった。むしろ、表情が明るくなったと言われるようになった。
反抗期は、自分に余裕がない証拠。
自分のことで一杯だから、
頼むから、干渉してこないでくれ……。
つまり、キャパオーバーのサイン。
だから、何もかも排除したくなる。
特に「オトナの反抗期」は、
こじらせるとめんどくさい。
こうしたときは、いっそのこと働き方を大胆に変えるなど、"荒療治"に出ないといけないかもしれない。まさに僕は正社員から派遣へとシフトチェンジしたけど、それによって色んなしがらみから逃れることができた。
自分の殻に閉じこもるのは、
周りも辛ければ、本人も辛い。
感情を他人と共有しなくなると、
人は心を使わなくなる。
だから、心のキャパが減っていく。
気付いたときに手遅れにならないように、
辛いと思ったら環境を大きく変えてみる。
これは、強くお勧めしたい。
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