2024年11月の記事一覧
「公正世界仮説」に反する物語が好き。
先日、高橋ツトム「ブルーヘヴン」が好きだという記事を書いた。
上の記事には入れられなかった好きな理由のひとつが「『公正世界仮説』に反する原理が働いているから」だ。
盛龍たちが乗る漂流船を見つけた時、ブルーヘヴンの社長と船長は「救助すべきか否か」で揉める。
社運を賭けた豪華クルーズ船の航行中に、漂流船の救助などしていられない、身元不明の人間を乗せるわけにもいかない、人道など知ったことでは
串刺し公ヴラドを主人公にした「ヴラド・ドラクラ」が、3巻から急激に面白くなるのは何故か。
ドラキュラのモデルにもなった「串刺し公ヴラド」を主人公にした、「ヴラド・ドラクラ」を既刊7巻まで読んだ。
実は三巻の途中までそこまで面白いとは思っていなかった。
「ヴラド・ドラクラ」は15世紀に黒海東岸にあったワラキア公国が舞台だ。
ワラキアはハンガリー王国とオスマン帝国という二つの強国に挟まれているため、この二国、どちらかの後ろ盾を得なければ公座につくことができない。
政情が不安定で、
「信頼のできない語り手」の支配と検閲をかいくぐって物語を読む。
少し前に読んだこの話が面白かった。
自分は「信頼のできない語り手」&独裁国家(※)として読んだが、なぜそう思ったか、どこでそう感じたかについて話したい。
※造語。詳しくは過去記事を参照。