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女性天皇・女系継承容認、「女性宮家」創設の憂鬱

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歴史にない女系継承を容認し、「女性宮家」を創設する。もはや何でもありです。
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#御公務

〈短期集中連載〉「女性宮家」創設賛否両論の不明 第1回 歴史とどう向き合うのか──「女性宮家」のパイオニア所功教授の場合(月刊「正論」2012年12月号)

〈短期集中連載〉「女性宮家」創設賛否両論の不明 第1回 歴史とどう向き合うのか──「女性宮家」のパイオニア所功教授の場合(月刊「正論」2012年12月号)

▽ はじめに

 1000年を超える皇室の歴史と伝統にはない、いわゆる「女性宮家」の創設がいよいよ現実味を帯びてきました。

 政府は10月5日、2月に始まり、計6回、12人の意見を聞いた「皇室制度に関する有識者ヒアリング」を踏まえた「論点整理」をとりまとめ、公表しました。

「象徴天皇制度の下で、皇族数の減少にも一定の歯止めをかけ、皇室の御活動の維持を確かなものとするためには、女性皇族が一般男性

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「皇室制度改革ありき」の誤り──政府の「皇室制度」改革に幕を引いた天皇誕生日会見 3(2017年10月02日)

「皇室制度改革ありき」の誤り──政府の「皇室制度」改革に幕を引いた天皇誕生日会見 3(2017年10月02日)

(画像は平成24年のお誕生日会見に臨まれた陛下。宮内庁HPから拝借しました。ありがとうございます)

あとがきにかえて

▽3 「皇室制度改革ありき」の誤り

 ところが、宮内官僚たちはこれに反して、ご負担軽減どころか、その目的をはるかに超えて、大胆不敵にも「皇室制度」改革に踏み出したのでした。現行の皇室典範では女性皇族が婚姻後、皇籍離脱(臣籍降嫁)する制度になっているから、「皇室の御活動」が安定

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皇室の伝統に反するご負担軽減──政府の「皇室制度」改革に幕を引いた天皇誕生日会見 2(2017年09月29日)

皇室の伝統に反するご負担軽減──政府の「皇室制度」改革に幕を引いた天皇誕生日会見 2(2017年09月29日)

(画像は平成24年のお誕生日会見に臨まれた陛下。宮内庁HPから拝借しました。ありがとうございます)

あとがきにかえて

▽2 皇室の伝統に反するご負担軽減

 あらためてこれまでの経緯を振り返ると、宮内庁がご負担軽減策を打ち出したのは、御在位20年がきっかけでした。

 平成20年2、3月、宮内庁は御健康問題を理由に、「昭和の先例」を踏襲する、御公務ご負担軽減について発表し、その後、同年11月に

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政府の「皇室制度」改革に歯止め──天皇誕生日会見のお言葉を読む(2012年12月31日)

政府の「皇室制度」改革に歯止め──天皇誕生日会見のお言葉を読む(2012年12月31日)

 今年最後のメルマガです。

 天皇陛下は今月23日、今上陛下が79歳の誕生日をお迎えになり、霊元天皇(78歳)を超え、昭和天皇(87歳)、後水尾天皇(84歳)、陽成天皇(80歳)に次ぐ、単独歴代4位の御長寿となられました。

▽1 「しばらくはこのままで」

 陛下はお誕生日を前にして、今月19日、記者会見に臨まれ、御公務御負担軽減問題について、「しばらくはこのままで」と語られました。

 宮内

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「女性宮家」「皇女」創設ではなくて、御公務御負担軽減に失敗し、皇室の伝統を破る宮内庁・外務省の責任を問え(令和2年11月29日)

「女性宮家」「皇女」創設ではなくて、御公務御負担軽減に失敗し、皇室の伝統を破る宮内庁・外務省の責任を問え(令和2年11月29日)

政府が「皇女」なる制度の創設を検討していると伝えられます。報道では、「皇室の公務の負担を軽減するため、結婚で皇室を離れた女性皇族に『皇女』という呼称で国家公務員として公務を続けてもらう案」などと説明されています。

女性皇族が婚姻し、皇籍を離脱することで、いわゆる御公務の担い手が減少することが予想されることから、御公務の維持のために、批判の多い「女性宮家」創設ではない新たな提案が政府内に浮上してき

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絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種──今年も変わらない叙勲関連のご日程(2012年11月18日)

絶対に消えない「女性宮家」創設論の火種──今年も変わらない叙勲関連のご日程(2012年11月18日)

 すっかり選挙モードです。おかげで、月末に出る月刊誌に載るはずだった拙文の原稿は色あせてしまいました。よほど忙しいのか、編集者からの連絡もありません。

 私のテーマはいうまでもなく、いわゆる「女性宮家」創設問題ですが、今度の衆院選で民主党が下野したとき、その行方はどうなるのでしょうか?

 すでに10月上旬に「論点整理」が出された段階で、あるメディアは「政府は皇室典範改正を断念」と伝えていました

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「皇室制度改革」、大いに異議あり──すり替えと虚言を弄する政府の「女性宮家」創設(2012年10月21日)

「皇室制度改革」、大いに異議あり──すり替えと虚言を弄する政府の「女性宮家」創設(2012年10月21日)

 歴史に前例のない、いわゆる「女性宮家」創設が現実味を帯びてきました。けれども、議論はますます混乱しています。

 政府は(平成二十四年)十月五日、「皇室制度に関する有識者ヒアリング」を踏まえた「論点整理」をとりまとめ、公表しました。

「象徴天皇制度の下で、皇族数の減少にも一定の歯止めをかけ、皇室の御活動の維持を確かなものとするためには、女性皇族が一般男性と婚姻後も皇族の身分を保持しうることとす

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陛下の御公務をなぜ女性皇族が「分担」しなければならないのか──皇室典範改正、制度改革がどうしても必要なのか(2012年9月23日)

陛下の御公務をなぜ女性皇族が「分担」しなければならないのか──皇室典範改正、制度改革がどうしても必要なのか(2012年9月23日)

 久しぶりのメルマガ更新です。引き続き、いわゆる「女性宮家」創設問題について書きます。

 今年2月の政府の公表資料によると、その問題関心は「皇室の御活動」の維持であり、「両陛下の御負担」軽減でした。

「現行の皇室典範の規定では、女性の皇族が皇族以外の方と婚姻された時は皇族の身分を離れることになっていることから、今後、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下の御負担をどう軽減してい

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