シェア
斎藤吉久
2024年5月13日 07:46
先月、政教関係を正す会のシンポジウムで、大嘗祭が稲と粟の複合儀礼であることについてお話ししたところ、旧知の神道学者から「新嘗祭と異なり、大嘗祭には粟は登場しないのではないか」というご指摘をいただきました。 著名な研究者からの指摘ですから、無視することはできません。まして、「大嘗祭は稲と粟の複合儀礼ではない」ということだとすると、私の年来の主張はもう一度組み立て直さないといけなくなります。
2022年11月18日 16:30
台湾の先住民が粟を食べ、粟の祭祀を行っているというリポートがある。大正期に台湾総督府蕃族調査会が取りまとめた『蕃族(番族)調査報告書』シリーズで、第5巻にパイワン族のことが書かれている。宗教的分野でもっとも進んでいる先住民と説明されている。国会図書館のデジタルコレクションで、誰でも、好きなときに読むことができるので、一読をお勧めしたい。リポートによると、パイワン族の食生活は、主食物は芋やサ
2024年5月12日 21:28
▽1 オウンゴールをもたらす知的探究の不足前回、皇位が男系で継承される理由は、天皇が祭り主であること、天皇の祭りが天神地祇を祀る多神教儀礼であることにあるなどと指摘したが、天皇が多神を祀り、祈ることは当然、米のみならず、米と粟を捧げて祈るという、皇室第一の重儀たる新嘗祭の中心儀礼の祭式と密接不可分の関係にある。「米と粟」を考えることなくして、皇統の男系主義の理由を探ることはできない。新嘗祭