ある朝を丁寧に
カーテンの隙間から、部屋の中よりほんの少し明るい光が入る時刻に目を覚ますと、つい今見た夢が頭の中から消えかかりながら、おぼろげに今日が始まる。
窓を開けると、夜中の間に吐き出した重たいものが、ひんやりと新しい空気と入れ替わって清々しい。
寝室を出るとはじめにコーヒーを淹れる。
コポコポと音を立てながら、部屋を香りで包んでくれるので、適度な刺激がまだ眠っていた細胞を徐々に起こしてくれる。
平日の朝食はコーンフレークと決めている。
トーストを焼いていた時期もあったのだけれど、毎日続けるには少しハードルが高いように感じてやめてしまった。
シリアルボールにカラカラカラと、ほどよい甘さを連想させるフレークを盛りつけたら、牛乳をテーブルに出しておくところまででひと段落。
「朝だよー、起きてー。」
同居人は声をかけると、グズグズすることもなくさっとダイニングにやってきて着席する。
「おはよ。」
「おはよー。」
『いただきます。』
今日も向かい合って笑顔を交わし、一日のはじまりを一緒に過ごせることがたまらなく幸せだ。
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