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彩美 saimi
2020年10月9日 22:52
佐佐木 政治 1989年9月 かおす 63 より究極の過去で 一冊となる書物は すでに永遠の未来の舌のさきを染めているまず言語の林の奥から ぼくらはほとんど手ぶらで抜け出てきた文法はおそらくもっとも 繁茂した森であったろう 蒼穹の炎のようにむしろ虚無の芝生であったろう すがすがしさでいっぱいの
2020年12月14日 23:04
佐佐木 政治思考にくれなずむときは庭の樹木に触れてみることださし交わすあの複雑きわまりない枝枝から差引いたとんでもないものを見せてくれるつまらぬものよと思わせて とんでもない! とただちにひるがえさせる何かを静寂そのものが身ぶるうこの世の極地へつながる何かを
2020年12月16日 21:51
佐佐木 政治満天の星空では神よ 太古からずっと既に常にあなたのシンタックスが成就しているそこはまさにこの世との隔壁の割れ目からのぞきみる 手つかずの庭だ縦糸と横糸で織りなす漆黒の辻々には あなたの言葉が万遍なく掬いとられ燎原にひろがる燠となって 神話の海を渡るのだ
2020年12月20日 23:08
佐佐木 政治あの丘の柵に不気味なほどやさしい顔をもたせかけて こちらを見ているクローンの羊よまだ朝焼けのほんの一瞬の間の彩にも充たない 人類の文明の狭間では すでにこよない憂愁の徴候がはじまっている神よ その昔幾山河を越え去り来たったあなたの奥深い或る時代の荒野には群れ集う同類がいたであろう事実は想像に難くないのだが