見出し画像

夜に取り残されて

まだ誰もいない世界で
私はやっと眠りについた
心はずっと濁っていて
夢を見ることさえなく
ただ目を閉じるだけの時間は
休まることはなかった

夜が明けて、太陽が覗く時間
目が覚めた瞬間からの疲労感と
これから始まる一日への不安が
私の息を止めるように
襲いかかる

瞳を閉じて深呼吸をしても
未来への不安、焦り、孤独感が渦巻く
太陽は昇り続けているのに
私の心はまだ夜に取り残されたまま

「大丈夫だよ」
心の中の私の声が聞こえる
私が私を包み込んで
眠れなかった夜の痛みを和らげる

泣きたくないのに
流れる涙は何のために出ているんだろう
太陽は私のために昇り続けて
温かく包んでくれるというのに

羊を数える時間のような
浅い睡眠が
私を眠りに誘うことを忘れたように
朝が来て、そして今日が始まる

それでも、私は知っている
私を包む場所が、心を開ける場所が
あるということを。

だから私はまた歩き出す
揺れながらも、迷いながらもその場所へ
温かく迎えてくれるその人たちがいる
その場所へ

あとがき
私たちは時に孤独感や不安を抱えることがありますが、支えてくれる存在や場所があることで前に進む力を得ることができるのだと感じています。その温かい瞬間をこの詩に込めました。そういう環境とは、家族や友達、周りの人かもしれないし、アイドルかもしれない、もしかしたらnoteの記事かもしれません。「あなた」のことを気にかけている存在がいるんだと思ってもらえるといいなって思ってます(*'ω'*)

詩を通して、読んでいる人たちにも「大丈夫だよ」と優しく寄り添う言葉が届くことを願っています。

この詩は昨日の詩↓↓のつづき。

「夢うつつの海」では、夕日が沈んでしまうことによって不安を感じる詩でした。今回の「夜に取り残されて」では、朝起きた時に急な不安に襲われて泣いてしまうことを詩にしています。
夜になることも、朝になってしまうことも不安に感じる人はたくさんいます。眠れなかった夜や、朝に押しつぶされそうになる日々を経験している人に、この詩が少しでも希望を与えられたら幸いです。

この記事が参加している募集

儚く/美しく/繊細で/生きる/葛藤/幻想的で/勇敢な 詩や物語を作る糧となります