ベトナムの底力。
■「2024年GDP成長率6%に維持」。
・最近のニュース、「内需回復等後押、アジア開発銀行(ADB)は『ベトナム2024年GDP成長率6%に維持』と発表」。
・上述はADBが以前に予測した数値だが、「ベトナムは外部環境の不安定さが続くも、経済の堅調な回復が期待されている」。
・ADB報告書では「ベトナムのインフレ率は2022年3.2%、2023年3.3%、2024年と2025年はそれぞれ4%」と予測される。
■成長を後押しする諸々の要因。
・ADBエコノミスト曰く「世界的な需要の減少と国際金利の上昇が2023年のベトナム経済成長に影響を与えたが、迅速な金融政策の転換と大規模な公共投資が成長回復を支える鍵である」と指摘。
・また「輸出向け製造業、サービス業、農業の安定した活動が回復を支援、海外直接投資(FDI)の流入と送金がプラスに働き、貿易収支が黒字を維持し、内需の回復が続くこと、さらには継続される財政刺激と公共投資プログラムが2024年の成長を後押しする」との見解を述べた。
■未成熟な資本市場。
・専門家は「ベトナムの更なる成長には輸出向け製造業に依存する経済構造の弱点、産業間の連携の希薄さ、未成熟な資本市場、過度の銀行信用依存、複雑な法的障壁等、国内の構造的問題に対処するためのより強力な措置が必要である」と述べ、また「米国の金融政策の不透明性、極端な天候の影響、中国の不動産市場の更なる低迷等、リスク要因には注意が必要である」と警告する。
・余談、経済発展の途中段階で上述のように「未成熟」という言葉が使われるのは当然なのかもしれない。日本は資本市場を150年間以上回し続け既に「成熟」しているが、ベトナムは約30年と資本市場が回り始めて日が浅い。
・初めてベトナムに訪れた時、私はこの国の潜在力、強かさ、優しさ、ずる賢さ、温かさ、素直さに一瞬で魅せられここで暮らす事を決めた。そして当時の想いは今でも感じる事が出来、この国のパワーとエネルギッシュさは色褪せずに健在だ。毎朝道端でバインミーを販売する若者、ソイを売る高齢女性、フレッシュジュースを絞る男性、コーヒーを売る少女、またそれらをドライブスルーのようにバイクで購入し会社に向かう人々等、国民はより豊かな生活を求めて日々の暮らしを励んでいる。「未成熟な資本市場」が既得権益を守る一部の人間によってもたらされていない事、そして前を向いて歩く人々と私は共に幸せになりたい、と願っている。