そのずる賢さ、あっぱれ。
■理不尽な請求。
・最近のニュース、「電車遅延で鉄道職員が外国人客をVIP待合室に案内も、サービスではなく後にVIP料金(約1200円)を請求」。
・8月18日夜「ニャチャン駅からホーチミン市に向かうSE3列車に乗車した乗客たちは、列車が1時間遅延したことに加え、VIP待合室の利用料金として追加で20万ドン(約1172円)を請求されたことに不満」を抱く。
・ある外国人客は「列車は当初21時39分に出発予定であったが、ニャチャン駅への列車の到着が遅れたため出発時間が22時20分に変更される」と告げられた。
■金額の多寡が問題ではない。
・この遅延を受けて駅のスタッフは「外国人客に冷房完備で無料の飲み物が提供されるVIP待合室で待つよう勧めた」、そして外国人客は「これを鉄道会社のサービスの一環として受け入れて待合室に移動した」。
・しかし「待合室で過ごした後、外国人客は予期せぬ事態に直面、スタッフから(上述の)追加料金を請求された」、外国人はこれを不当と感じ「無料で提供された水さえ返却する事態に至った」と報道される。
・余談、昔私がベトナム暮らしビギナーの頃、「仕事の疲れを少しでも減らして眠りにつきたい」と思いながら深夜ひとり残ったオフィスを後にする。会社から一、二分歩くと、夜のしじまに月明りと消え入りそうなオレンジ色の街灯に『Massage』の看板が煌煌と浮かびあがっていた。
■光を放つ『Massage』。
・冷静になれば街が静まる深夜ポツンと光を放つ『Massage』、その看板から普通の香りはしない事は自明だ。そんな事を考える気力もなく、ただただ横になって足や全身をマッサージしてもらいたい一心で入店した。受付はおらず料金メニューはなく、ひょこっと現れた施術師はベトナム語とボディランゲージと少しの英語で私に施術時間(人差し指一本立てていたので「1時間」)と金額を「サーティ」と言ったので、相場より多少高めだが私は1時間30万ベトナムドン(VND)と捉えてディールした。
・施術は気持ち良く「明日も頑張れそうだ」と思いながら料金30万VND(1500円)を支払った、すると施術師は「No No No, Not VND, 30 USD」と言うのだ。日常USDを使う習慣はなく支払いは全てVNDで完結する、確かに「サーティ」と言っていたが、VNDなのか、それともUSDかを私は最初に確認しなかった。「そう来たか」と思いながらも擦った揉んだする元気はなく30USD分をVNDで支払い、勉強代として次回に活かそうと考えた。寧ろ施術師のずる賢さや役者顔負けの演技「No No No」に天晴とすら思った。
・本報道と私のエピソードはどこか似ている。「分かったつもりでも思い込みもあるため、確認を怠らない事が大切だ」、という事を私はこの『Massage』店から学ぶ。日本の感覚だと事前に「料金はこの位ですが宜しいでしょうか」等と確認してくれるだろう、しかし「日本の感覚は国が変われば当たり前でも常識でもない」事を私は教えられた。