真贋を見極める力。
■ベトナムECの今。
・最近のニュース、「安価で多様な中国等外国製品がベトナム市場を席巻、国内産品の競争力低下で特に小規模企業に対して政府の支援が求められている」。
・ベトナムの電子商取引市場(EC)において「『Shopee』や『Lazada』のプラットフォームでは、ファッション、家庭用品、電子機器等、海外の商品が急速に普及しており、特に中国からの直接発送が増加しており国内市場における競争を激化」させている。
・以前消費者は「言語や決済方法の壁で困難であった海外購入を、国内のプラットフォームを通じて簡単に行えるようになり、特に中国発の『Temu』や『Shein』等新たなプラットフォームの登場がその流れを後押し」している。
■政府の支援が求められている。
・これにより「価格競争が激化、特に低価格帯の製品において国内の小規模企業が苦境に立たされた状態にある」、また「多くの消費者が価格重視で商品を選ぶ傾向にあり、特に1200円以下の製品市場が急成長」している。
・しかし、「安価な中国製品の流入」、「国内の中小企業は価格競争で遅れを取る」等、利益率が圧迫されており「特にベトナム国内のゴム製品業界や小規模な製造業者が中国製品の影響を強く受け、競争力を失いつつある」。
・専門家曰く「この傾向が続けばベトナム国内の製造業が縮小し、失業率の上昇や経済の減速が進む危険性があり、特に小規模企業は生産規模や財務力で中国の大手と競うことが不可能で、政府の支援が求められる状況となる」と見解を示す。
■本物にしか見えない。
・余談、以前私の『note(アパレル店舗に長蛇の列)』で書き留めたが、ブランド『MAIZON KITSUNE』数万円のTシャツを購入するベトナム人も普通にいる。一方、市内に点在するコピー品市場では同ブランドのコピー品(偽物)が本物の1/10の値段で売られており、その多くは中国から輸入されベトナム国内で観光客やベトナム人向けに販売される。
・「コピー品が粗悪か」というとそんな事はなく見た目も生地もしっかりしており、本物と見比べても「一体何がどう違うのか」と全く見分けがつかず、99.9%本物と思えるほどそのクオリティとレベルの高さに驚かされる。マーケットをウォッチする度商品が入替り、シーズン毎に新作を取り揃える。またコピー商品の完成度によって『F1(Fake1/偽物1)』、『F2』、『F3』等とランク付けされており、「本物にしか見えない商品ばかりを取り揃える『F1』市場」、「ブランド名がプリントされているが明らかに偽物だしモノが悪そうとパッと見で分かる『F3』市場」等と棲み分けされておりコピー品市場は成熟している。
・上述のリアルが様々なECプラットフォームでも繰り広げられており、商品は玉石混合であるものの、「すぐ壊れるかもしれない、使い物にならないかも、イメージ写真と実物に差異有り、それでも良い、安くて嬉しい、買いたい、欲しい」と思う人々もいるはずだ。そして利用したプラットフォームから届いた商品の品質や質が高ければリピーターとなり得る状況下、ベトナム地場企業に対する政府の支援策等に引続き注目していきたい。
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