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ベトナムの剪定風景。

■ホーチミン市の樹木数。
・最近のニュース、「ホーチミン市内には高さ20m以上の樹木7600本あり、十分な検査設備や技術不足で倒木のリスクが懸念される」。
・同市公園緑地社の調査は「同市内には高さ20〜50mの樹木が7600本あり、その多くが市内主要道路に植えられているが樹木を管理する際の十分な設備がないため欠陥を発見して処置することが難しい」と示す。

■安全地帯から。
・シンガポールでは倒木問題を検出するべく「超音波断層技術や赤外線カメラ、特殊なボーリング機器が使用されている」とされ、また「3000本の樹木に傾斜センサーを設置し、異常が発生した際に管理センターへ即時通知が行われる仕組みを採用」する。
・現在ホーチミン市には「1200以上の道路に20万本以上の樹木が植えられ、その大部分は長年にわたり成長した大型の木で、倒木リスクが懸念」されている。また最近2カ月間で「市内では複数の倒木事故が発生、3人死亡、4人負傷したため、同市の緑地管理部門はドローンで樹木の状態を監視し、大型の枝を支えるためのケーブル固定やリスク評価チームの編成等緊急対策を進める」。ちなみに2023年4月1日時点での東京都内植えられた街路樹の数は100万本を超える。
・ベトナム主要都市では倒木のリスク回避として、私は幾度となく樹木剪定作業を目の辺りにしてきた。「この大きな樹木をいったい彼らはどのように剪定していくのだろうか」と私はしばし立ち止まり安全地帯から観察する。

■剪定素人。
・余談、剪定作業はクレーンである程度の高さまで彼らは上昇したところで樹木に飛び移り、樹木の高さにもよるが更に地上30m程の場所までよじ登るが命綱は見当たらない。彼の位置から地上へと伸びた長いロープで電動のこぎりを引上げてスタンバイ後に不要な枝を切り落とす。
・上述の作業前、切り落とされる枝(A)は事故を避けるべく直に地上へ落下しないよう事前に別ロープで縛る、次にロープはAの高さに近い別の丈夫そうな太い枝の付根にもロープを引っかける(B)。更に地上に近い樹木下部の太く丈夫な部分・幹(B)にロープを垂らしぐるぐる巻きにする(C)。仮にABCをロープで繋げたとしたら逆三角形を描くカタチの3点が仕上がり、本体から切り離された不要なAは、BC2点に支えられ直接地面への落下を避け衝撃を和らげる、地上の作業員たちはBCのロープを緩めながらAを徐々に地上へと降ろしていった。
・Aは相当重いのだろう本体から切り離されてロープにつるされる瞬間、30m以上の樹木全体がその衝撃で揺れ動くも作業員含め皆無事であった。まるで職人技だ。彼らの経験が集約された剪定作業に見入ってしまった、と同時に非常にアナログや属人的であり、かなり作業時間を要した。本報道のように設備や事前調査に予算を捻出し倒木による事故や不幸の減少に努め、「せめても命綱はだけは使って身を守て欲しい」と剪定素人の私は強く願うのだ。

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