こころ模様「カルナマリーさんのこと」
カルナマリーさんはインドのアシュラム(僧院)でヴィーナを手に唄い浄める人。ヴィーナという楽器はインドから伝わった琵琶の起源だ。そんなことも奈良の博物館で琵琶を見てから知った。そもそも記憶のかなたに埋もれていたカルナマリーさんが立ち上がってきたのも正倉院宝物の琵琶がきっかけだった。
21年前のこと、デーリー郊外のアシュラムに滞在していた。カルナマリーさんの集いではいつも隅っこに坐り耳を傾けていた。部屋へ遊びに行くようになったのは何がきっかけだったか覚えがないが、彼女はいつもこ