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梅雨の雫さえ響かない地下の酒場。 昼も過ぎ、ゆっくりと店支度を始めた私は …私はそう、宇…
アキと初めて会ったのも雨の日だった。 春の陽気が一瞬翳るGW明けの早朝。 五月病に油を注ぐよ…
入り口を開けて階段を下り、地下の店内へと案内する。 「お~…良い雰囲気だね。」 きょろき…
GW後の3連休、温泉街で過ごし羽を伸ばした私は 静かな昼過ぎの我が城にて、再び開店準備をし…
私が飲み物を用意している間に、招かれざる2人の青年はカウンター席に座ったまま脳内で格闘を…
「…お客さん、今日はずいぶんと飲むね」 その客は30代半ばの男、杉岡という名の常連で、い…
「つまらん!」 不服そうな金髪の少年、いやV市立大将棋部では最年長の青年”一条昇”がカウンター席で叫ぶ。 「もう今日それで3回目ですよ、一条くん…」 一条は部長の榊と私の店を訪れてからというもの、ちょくちょく一人でも夜に顔を出すようになった。お酒が大好きだが、悪い酔い方はしないので楽しいお客さんが一人増えたなと個人的には喜んでいる。 ……今日は少し荒れているようだが。 「榊のやつ、俺に部内戦で逆転勝ち決めておいてさっさと帰りやがって。普通そういう時は酒に付き合うとこ
「上はすっかり梅雨って感じかしら。」 バックヤードの酒樽をひと触れし、まるで地底人のよう…
「一局、お願いできますか?」 聞き間違いではなかった。確かに今まさに、この麗人は私に対局…