カスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案
カスハラ(カスタマーハラスメント)については厚生労働省・労働政策審議会でパワハラ防止法・指針の審議の中で議論されたこともあったが法制化にはいたらなかった。今国会では、過去には法制化さされなかったカスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案(消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案)が、議員立法として国会(参議院)に提出された(2022年5月19日)。
なお、2018年3月の厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書に「顧客や取引先からの著しい迷惑行為」とあったが、今回のカスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案は「消費者対応業務関連特定行為」(2条)と限定的に定義し、厚労省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書の「取引先からの著しい迷惑行為」は対象から省かれてしまった。
カスタマーハラスメント対策法案 国会提出
NHK NEWS WEBは5月19日、「『カスタマーハラスメント』とも呼ばれる客からの悪質なクレームなどから店の従業員を守るため、国民民主党は店側が適切に対処できるよう、国や自治体が必要な支援を行うことを義務づける法案を国会に提出しました」と報じている。
暴力や執ような説教など客による店の従業員への迷惑行為は「カスタマーハラスメント」とも呼ばれ、国民民主党は、こうした悪質なクレームなどから従業員を守るための対策を強化する法案を19日、参議院に提出しました。
法案では国と自治体が連携して対策を講じることを義務づけ、店側が適切に対処できるよう必要な支援を行ったり、被害を受けた従業員の相談体制や、離職を余儀なくされた場合、再就職を促進する体制を整備したりするなどとしています。
「カスタマーハラスメント」をめぐっては、厚生労働省がことし(2022年)2月に店側が取り組むべき対策を盛り込んだマニュアルを策定しています。
国民民主党の川合参議院国会対策委員長は、記者会見で「これまでの国の取り組みでは被害の発生を防げないなどの限界があり、社会的な課題としてさらに踏み込んで対策を進めるべきだ」と述べました。(NHK NEWS WEB『悪質クレーム「カスタマーハラスメント」対策法案 国民が提出』2022年5月19日配信)
なお、NHK NEWS WEBの記事でもふれられていたが、厚生労働省は顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)の防止対策の一環として「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」やマニュアルの概要版であるリーフレットなどを作成し、2022年2月25日に厚労省サイトにて公表。
「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!(厚生労働省サイト)
カスタマーハラスメント(カスハラ)の定義
2018年3月公表の厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書に特に定義されていなかったが、「顧客や取引先からの著しい迷惑行為」と記載されていた。
「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書(PDFファイル)
2022年2月に厚生労働省が作成し公表した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」にもカスタマーハラスメント(カスハラ)の定義は明確には記載されていないが、「企業や業界により、顧客等への対応方法・基準が異なることが想定されるため、カスタマーハラスメントを明確に定義することはできませんが、企業へのヒアリング調査等の結果、企業の現場においては以下のようなものがカスタマーハラスメントであると考えられています」と書かれている。
顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの
そして、2022年5月19日に国会(参議院)に提出されたカスタマーハラスメント(カスハラ)対策法案(消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案)には、明確に定義として第二条の第一項に「この法律において『消費者対応業務』とは、事業者の使用人、役員その他の従業者又は個人事業者(以下『従業者等』という。)が、その事業者による個人に対する物又は役務の提供その他これに準ずる事業活動(専ら従業者等としての個人に対して行うものを除く。)に係る業務の相手方に接し、又は応対する業務をいう」と、また第二項には「この法律において『消費者対応業務関連特定行為』とは、従業者等に対し、その消費者対応業務に関連して行われる行為のうち、著しく粗野又は乱暴な言動を行うことその他の行為であって当該従業者等に業務上受忍すべき範囲を超えて精神的又は身体的な苦痛を与えるおそれのあるもの(当該従業者等と業務上の関係を有する従業者等がその業務に関して行うものを除く。)をいう」と規定している。
カスタマーハラスメント対策法案 ポイント
2022年5月19日に国会(参議院)に提出されたカスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案の正式名称は「消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案」、参議院議案受理年月日は2022年5月19日、衆議院予備審査議案受理年月日は5月23日。この法案は参議院先議に。
消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案 議案情報(参議院サイト)
また、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策法案のポイントは「働く者の就労環境が害されないこと」「事業者がカスハラ対策への取り組みを主体的に行うこと」「消費者からの苦情の申出等が不当に妨げられないこと」とのこと。
カスタマーハラスメント対策法案 概要・条文
カスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案(消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案)の概要・要綱・法案(条文)は、国民民主党のサイトに掲載されている。
【法案提出】「カスタマーハラスメント対策法案」を提出(国民民主党サイト)
カスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案(消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案)概要(PDFファイル)
カスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案(消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案)要綱(PDFファイル)
カスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案(消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案)条文と理由(PDFファイル)
カスタマーハラスメント対策法案 条文(縦書き)
カスハラ(カスタマーハラスメント)対策法案(消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案)の条文と理由、国民民主党のサイトでは縦書きのため読みずらいのだが、衆議院のサイトには提出時法案が横書きで全文掲載されている。
カスタマーハラスメント対策法案 提出時法案
消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案
第一九八回
参第二三号
消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案
目次
第一章 総則(第一条-第六条)
第二章 基本方針(第七条)
第三章 基本的施策(第八条-第十六条)
第四章 消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会(第十七条・第十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、消費者が苦情の申出等を行う機会を十分に確保すること等その利益を擁護することが重要である一方で、消費者対応業務関連特定行為が従業者等の業務の遂行に支障を生じさせ、及び従業者等の心身に重大な影響を及ぼすおそれがあるものであること等に鑑み、消費者対応業務関連特定行為対策(消費者対応業務関連特定行為に係る問題に対処するための施策をいう。以下同じ。)に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針の策定について定めるとともに、消費者対応業務関連特定行為対策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益が擁護されるよう配慮しつつ消費者対応業務関連特定行為対策を総合的に推進して、従業者等がその有する能力を有効に発揮するとともに健康で充実した生活を営むことができるようにし、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「消費者対応業務」とは、事業者の使用人、役員その他の従業者又は個人事業者(以下「従業者等」という。)が、その事業者による個人に対する物又は役務の提供その他これに準ずる事業活動(専ら従業者等としての個人に対して行うものを除く。)に係る業務の相手方に接し、又は応対する業務をいう。
2 この法律において「消費者対応業務関連特定行為」とは、従業者等に対し、その消費者対応業務に関連して行われる行為のうち、著しく粗野又は乱暴な言動を行うことその他の行為であって当該従業者等に業務上受忍すべき範囲を超えて精神的又は身体的な苦痛を与えるおそれのあるもの(当該従業者等と業務上の関係を有する従業者等がその業務に関して行うものを除く。)をいう。
(基本理念)
第三条 消費者対応業務関連特定行為対策は、消費者対応業務関連特定行為により従業者等の就業環境が害されないようにすることを旨として推進されなければならない。
2 消費者対応業務関連特定行為対策は、その従業者等に消費者対応業務を行わせる事業者(以下単に「事業者」という。)が消費者対応業務関連特定行為に係るその従業者等の保護のための取組(以下「消費者対応業務関連特定行為に係る取組」という。)を主体的に行うことが重要であるという認識の下に推進されなければならない。
3 消費者対応業務関連特定行為対策を推進するに当たっては、消費者の苦情の申出等を行う機会を十分に確保することが当該消費者の利益を擁護するものであるとともに事業者の事業活動の発展に資することに鑑み、消費者からの苦情の申出等が不当に妨げられることのないよう特に配慮しなければならない。
(国の責務等)
第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、消費者対応業務関連特定行為対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり、消費者対応業務関連特定行為対策に関し、国との連携を図りつつ、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
3 事業者は、国及び地方公共団体が実施する消費者対応業務関連特定行為対策に協力するとともに、消費者対応業務関連特定行為に係る取組を主体的に行う責務を有する。
4 事業者団体(事業者を構成員に含むものに限る。以下同じ。)は、国及び地方公共団体が実施する消費者対応業務関連特定行為対策に協力するよう努めるとともに、その構成員である事業者が行う消費者対応業務関連特定行為に係る取組について、必要な助言、協力その他の援助を行う責務を有する。
5 国民は、消費者対応業務関連特定行為を防止することの重要性に対する関心と理解を深めるよう努めるものとする。
(消費者対応業務関連特定行為防止啓発月間)
第五条 国民の間に広く消費者対応業務関連特定行為を防止することの重要性に対する関心と理解を深めるため、消費者対応業務関連特定行為防止啓発月間を設ける。
2 消費者対応業務関連特定行為防止啓発月間は、十月とする。
3 国及び地方公共団体は、消費者対応業務関連特定行為防止啓発月間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとする。
(法制上の措置等)
第六条 政府は、消費者対応業務関連特定行為対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
第二章 基本方針
第七条 政府は、消費者対応業務関連特定行為対策の総合的な推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する基本的な方向
二 次章に定める基本的施策の実施に関する基本的な事項
三 前二号に掲げるもののほか、消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する重要事項
3 厚生労働大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 厚生労働大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、内閣総理大臣その他の関係行政機関の長と協議するとともに、消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会の意見を聴くものとする。
5 厚生労働大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 政府は、定期的に、消費者対応業務関連特定行為に関する実態調査を行い、その結果を公表しなければならない。
7 政府は、前項の規定による実態調査の結果を踏まえつつ、適時に、基本方針に基づく施策の実施の状況について、評価を行わなければならない。
8 政府は、消費者対応業務関連特定行為に関する状況の変化を勘案し、及び前項の評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに、基本方針に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。
9 第三項から第五項までの規定は、基本方針の変更について準用する。
第三章 基本的施策
(事業者が行う消費者対応業務関連特定行為に係る取組の促進)
第八条 国及び地方公共団体は、事業者が行う消費者対応業務関連特定行為に係る取組を促進するため、次に掲げる施策その他の必要な施策を講ずるものとする。
一 消費者対応業務関連特定行為の具体的内容、事業者が行う消費者対応業務関連特定行為に係る取組によりとられることとなるべき消費者対応業務関連特定行為への適切な対処方法その他の必要な事項を定めた指針を作成し、公表すること。
二 事業者及び事業者団体に対し、消費者対応業務関連特定行為に係る取組に関する事例その他のその実施に有用な情報の提供を行うこと。
三 事業者に対し、消費者対応業務関連特定行為に係る取組の実施のための助成を行うこと。
四 消費者対応業務関連特定行為があった場合における、事業者による正確な事実の把握、記録の作成及び保存その他の消費者対応業務関連特定行為への事後対応及び将来の消費者対応業務関連特定行為への適切な対処に資する取組を支援すること。
五 消費者対応業務関連特定行為があった場合において、事業者が消費者対応業務関連特定行為への対処に関する専門的知識を有する者の助言及び指導その他の必要な援助を受けることができる体制の整備を行うこと。
(相談体制の整備)
第九条 国及び地方公共団体は、消費者対応業務関連特定行為により被害を受けた従業者等(以下「被害従業者等」という。)からの相談に的確に応ずるため、身近な相談体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
(保健医療サービスの提供)
第十条 国及び地方公共団体は、被害従業者等が、消費者対応業務関連特定行為により心身に受けた影響から回復することができるようにするため、当該被害従業者等に対し、その心身の状況に応じた適切な保健医療サービスが提供されるよう必要な施策を講ずるものとする。
(再就職の促進等)
第十一条 国及び地方公共団体は、消費者対応業務関連特定行為により被害を受けたため離職を余儀なくされた者の就業を促進するため、職業紹介、職業訓練等の体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
(民間団体の活動に対する支援)
第十二条 国及び地方公共団体は、民間の団体が行う消費者対応業務関連特定行為の防止、被害従業者等に対する支援等に関する活動を支援するため、情報の提供、助言、助成その他の必要な施策を講ずるものとする。
(人材の育成等)
第十三条 国及び地方公共団体は、消費者対応業務関連特定行為に係る取組に関する専門的知識を有する人材その他の消費者対応業務関連特定行為対策の推進に寄与する人材の育成、資質の向上及び確保を図るため、消費者対応業務関連特定行為に係る取組に関する研修の機会の確保及び情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
(調査研究の推進等)
第十四条 国及び地方公共団体は、消費者対応業務関連特定行為があった場合における適切な対処方法に関する研究その他の消費者対応業務関連特定行為対策に関する調査及び研究の推進並びにその成果の普及のために必要な施策を講ずるものとする。
(啓発及び教育)
第十五条 国及び地方公共団体は、消費者対応業務関連特定行為を防止することの重要性に対する国民の関心と理解を深めるため、前条の調査及び研究の成果を踏まえた啓発活動及び教育活動の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。
(連携協力体制の整備)
第十六条 国及び地方公共団体は、消費者対応業務関連特定行為対策が効果的に実施されるよう、関係省庁相互間その他関係機関、労働者団体、事業者団体その他の民間の団体等の間における連携協力体制の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。
第四章 消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会
第十七条 厚生労働省に、消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2 協議会は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 基本方針に関し、第七条第四項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。
二 前号に掲げるもののほか、厚生労働大臣の諮問に応じ、消費者対応業務関連特定行為対策に関する重要事項を調査審議すること。
三 第七条第六項の規定による実態調査の実施の状況について評価を行い、必要があると認めるときは、厚生労働大臣又は関係行政機関の長に意見を述べること。
3 協議会は、前項第三号に掲げる事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
第十八条 協議会は、委員二十人以内で組織する。
2 協議会の委員は、従業者等を代表する者、事業者を代表する者及び消費者対応業務関連特定行為対策に関する専門的知識を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命する。
3 協議会の委員は、非常勤とする。
4 前三項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後二年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、消費者対応業務関連特定行為に対する規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
2 前項の検討を行うに当たっては、厚生労働大臣は、協議会の意見を聴くものとする。
(厚生労働省設置法の一部改正)
第三条 厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第五十号の次に次の一号を加える。
五十の二 消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律(令和元年法律第▼▼▼号)第七条第一項に規定する基本方針の策定及び推進に関すること。
第六条第二項中「過労死等防止対策推進協議会」を
「
過労死等防止対策推進協議会
消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会
」
に改める。
第十三条の二の二を第十三条の二の三とし、第十三条の二の次に次の一条を加える。
(消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会)
第十三条の二の二 消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会については、消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
附則第四項中「平成三十五年五月十六日」を「令和五年五月十六日」に改める。
(成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律の一部改正)
第四条 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律(平成三十年法律第百四号)の一部を次のように改正する。
附則第三項のうち厚生労働省設置法第六条第二項の改正規定中「過労死等防止対策推進協議会」を「消費者対応業務関連特定行為対策推進協議会」に改める。
附則第三項のうち厚生労働省設置法第十三条の二の二を第十三条の二の三とし、第十三条の二の次に一条を加える改正規定中「第十三条の二の二」を「第十三条の二の三」に、「第十三条の二の三」を「第十三条の二の四」に、「第十三条の二の次」を「第十三条の二の二の次」に改める。
理 由
消費者が苦情の申出等を行う機会を十分に確保すること等その利益を擁護することが重要である一方で、消費者対応業務関連特定行為が従業者等の業務の遂行に支障を生じさせ、及び従業者等の心身に重大な影響を及ぼすおそれがあるものであること等に鑑み、消費者対応業務関連特定行為対策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針の策定について定めるとともに、消費者対応業務関連特定行為対策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益が擁護されるよう配慮しつつ消費者対応業務関連特定行為対策を総合的に推進して、従業者等がその有する能力を有効に発揮するとともに健康で充実した生活を営むことができるようにする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。(衆議院サイトより)
*ここまで読んでいただき感謝!