佐伯博正

つながらない権利の法制化、勤務間インターバル制度の義務化、偽装フリーランス問題など労働法制の論点について最新の情報を発信しています。

佐伯博正

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つながらない権利が日本で法制化される可能性

厚生労働省「労働基準関係法制研究会」の第5回研究会は先月(2024年3月)26日に開催されましたが、その資料「これまでの論点とご意見について」にはつながらない権利は「労契法(労働契約法)上でデフォルトルールを定める方法もあり、労働基準法と労働契約法の接続の問題で議論されるべき」と、第2回研究会でのメンバー(構成員)意見として記載されています。 追記:本日(2024年9月11日)開催の厚生労働省「労働基準関係法制研究会」第13回研究会の資料「労働時間、休憩、休日及び年次有給休

    • つながらない権利を否定する労働基準関係法制研究会(厚生労働省)

      厚生労働省の有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第13回研究会は本日(2024年9月11日)開催されます。議題は「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇について」ですが、資料には「つながらない権利を労働者の権利として構成することには違和感がある」と「つながらない権利」法制化に対して否定的な労働基準関係法制研究会メンバー(構成員)の意見が書かれています。 つながらない権利は労働者権利として違和感?本日(2024年9月11日)開催の厚生労働省「労働基準関係法制研究会」の第13回

      • 労働基準関係法制研究会 報告書

        厚生労働省の有識者会議「労働基準関係法制研究会」は、同じく厚生労働省の有識者会議「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて開設された厚生労働省の有識者会議になり、労働基準法などの中長期的な見直しを議論して「新しい時代の働き方に関する研究会」同様に報告書の作成をめざしています。 新しい時代の働き方に関する研究会 報告書厚生労働省は有識者会議「新しい時代の働き方に関する研究会」を開設して報告書に向けた議論をつづけてきましたが、厚生労働省は2023年10月20日に「新しい時代

        • 労働基準関係法制研究会(第13回)

          本日(2024年9月4日)、厚生労働省は第13回「労働基準関係法制研究会」の開催案内を厚生労働省サイトに公開しました。 厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第13回厚生労働省サイトによると厚生労働省(労働基準局)有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第13回研究会は明日(2024年9月11日)に開催されます。議題は「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇について」。 『資料1 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇について』には「最長労働時間規制」「労働からの解放の規制」「割

        • 固定された記事

        つながらない権利が日本で法制化される可能性

          労働基準関係法制研究会(第12回)議題は労働基準関係法制

          「副業・兼業の場合の割増賃金の通算」などに関する労働基準法の見直しを議論している厚生労働省「労働基準関係法制研究会」の第12回研究会が次週開催されます。 労働基準関係法制研究会(第12回)厚生労働省(労働基準局)有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第12回研究会は次週水曜日(2024年9月4日)に開催され、議題は「労働基準法上の『労働者』、『事業』及び労使コミュニケーションについて」。 労働基準関係法制研究会(厚生労働省サイト) 追記:労働基準関係法制研究会(第12回

          労働基準関係法制研究会(第12回)議題は労働基準関係法制

          つながらない権利 法制化と厚生労働省 労働基準関係法制研究会

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」は「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて設置された厚生労働省の有識者会議になり、検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされています。 厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第10回厚生労働省(労働基準局)有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第10回研究会開催について明日(2024年7月31日)に開催されます

          つながらない権利 法制化と厚生労働省 労働基準関係法制研究会

          つながらない権利 法制化(立法化)要望を日本の厚生労働省は

          勤務外の深夜や休日に上司などのメール等を(緊急連絡を除いて)拒否したとしても罰せられることのない権利「つながらない権利」は欧米を中心に法制化(立法化)が進んでいますが、日本政府や厚生労働省の反応は極めて鈍いし、遅いと言わざるを得ません。 つながらない権利 法制化は日本では進まない東京新聞(デジタル版)は先週の水曜日(2024月7月17日)に『「つながらない権利」あなたの会社は認めてる? 欧州を中心に法制化進が、なぜ日本は反応が鈍いのか』(「法制化進が」の意味が不明ですが「法

          つながらない権利 法制化(立法化)要望を日本の厚生労働省は

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」第9回研究会

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」は「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて設置された厚生労働省の有識者会議になり、検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされています。 厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第9回厚生労働省(労働基準局)有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第9回研究会開催について本日(2024年7月12日)厚生労働省サイトに

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」第9回研究会

          多くの女性が長時間働けないからフルタイム勤務できない状況を放置していいか

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」は「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて設置された厚生労働省の有識者会議になり、検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされていますが、2024年4月23日に開催された第6回研究会の議事録は7月1に公開されました。 なお、この議事録を読み最も印象に残った発言は「実質的に家庭責任を多く負っているのが女性であって

          多くの女性が長時間働けないからフルタイム勤務できない状況を放置していいか

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」と規制改革実施計画

          2024年(令和6年)6月21日に『規制改革実施計画』(2024年版)が閣議決定されましたが、『規制改革実施計画』には厚生労働省「労働基準関係法制研究会」の議論に関係する事項が記載されています。 フリーランス・ギグワーカーの労働者性6月21日に閣議決定された『規制改革実施計画』(2024年版)に「フリーランス・ギグワー カーの労働者性及び保護の在り方」という事項があります。 その規制改革の内容には(長い引用になりますが)「労働者性がある働き方をしているにもかかわらず、名目

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」と規制改革実施計画

          厚生労働省 労働基準関係法制研究会

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」は「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて設置された厚生労働省の有識者会議になり、検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされています。 厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第8回厚生労働省(労働基準局)有識者会議「労働基準関係法制研究会」の第8回研究会が今週木曜日(2024年6月27日)に開催されます。議題は

          厚生労働省 労働基準関係法制研究会

          フリーランス・ギグワーカーの労働者性判断基準と偽装フリーランス問題

          2024年(令和6年)6月21日に『規制改革実施計画』(2024年版)が閣議決定されましたが、『規制改革実施計画』には「良質な雇用の確保、高生産性産業への労働移動」との項目がありますが、そこにフリーランス・ギグワーカーの労働者性判断基準見直しと偽装フリーランス問題について記載されています。 フリーランス・ギグワーカー労働者性判断基準『規制改革実施計画』(概要)の「良質な雇用の確保、高生産性産業への労働移動」には、フリーランス・ギグワーカーの保護や偽装請負の防止について「労働

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          労災支給決定の取り消しを求める権利が事業主にあるかが争われている訴訟

          事業主に労災支給決定の取り消しを求める権利があるかが争われている訴訟 本日(2024年6月10日)、澤路毅彦・朝日新聞社(労働担当)編集委員は個人のX(ツイッター)アカウントで「事業主に労災支給決定の取り消しを求める権利があるかが争われている訴訟。本日(2024年6月10日)最高裁で弁論。判決は(2024年)7月4日。」」とポスト(ツイート) 澤路毅彦編集委員は橋本拓樹記者と共同で『労災支給の取り消し、請求可能に? 「事業主に権利」高裁判決が波紋』との記事を執筆し2022年

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          健康保険証廃止のために厚生労働省が関係省令の整備省令案パブコメを募集

          厚生労働省が健康保険証を廃止して(実質的)マイナ保険証義務化に向けた省令案「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令案(仮称)」のパブリックコメント(パブコメ)を募集しています。 つまり、厚生労働省が「保険証(健康保険証)の規定を削除する」ことについてパブコメ(国民の意見)を募集しています。健康保険証を残してほしいと望む人はパブコメに応じて自身の声を厚生労働省に届けてくださ

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          労働基準関係法制研究会と労働基準法見直しを全労連幹部が批判

          ある衆議院議員は自身のX(ツイッター)アカウントのポスト(ツイート)で某紙インタビュー記事を一部引用し、全労連幹部は「政府・厚生労働省が『労働基準関係法制研究会』などの有識者会議を設置し、労働法制の改悪に向けた動き」「労基法を有名無実化し『絵に描いた餅』に」「労基署を気にせず、好き勝手に労働者を使える社会にしようというのが狙い」と。 労働基準関係法制研究会とは「労働基準関係法制研究会」は「新しい時代の働き方に関する研究会」につづいて開設された厚生労総省(労働基準局)有識者会

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          労働者性 判断基準 見直しは必要か不要かー厚生労働省の研究会で論争に

          厚生労働省「労働基準関係法制研究会」は現在(2024年5月31日)第7回研究会まで開催され、議事録は第3回研究会まで公開されています。 労働基準関係法制研究会(厚生労働省サイト) 「安藤先生の御指摘は大変重要だ」 厚労省の労働基準関係法制研究会の第3回議事録に記載された最後の荒木尚志座長の発言に「安藤(至大)先生の御指摘は大変重要だ」とあります。つまり、荒木尚志座長が最後に意見を述べて、労働基準法「労働者」判断基準見直し(労働基準法などにおける労働者範囲拡大)問題に関する

          労働者性 判断基準 見直しは必要か不要かー厚生労働省の研究会で論争に