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映像のポエジア 刻印された時間
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尊敬してやまない映画監督、アンドレイ・タルコフスキー。
何より詩を愛していたことは作品を通して伝わってくるものの、意外にも議論を交わすことを好んでいただなんて。こんなにも打ち明けてくださってありがとうの気持ちでいっぱい。芸術に対する姿勢、思想、哲学を。
タルコフスキーの映画から受けるインスピレーションが、社会における自分の在り方を考えさせてくれる。詩的に生きたいとのたまっていた20代前半で彼の映画に出逢えたことは、正に運命だった。
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誰が撮ったか一目瞭然。
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芸術はなんのために存在するのか。だれに必要なのか。必要とする者がだれかいるのだろうか。こうした問い掛けは、詩人によってなされているだけではない。...どの芸術も、売り物として〈消費〉に向けられることを目的にはしていない。人間はなんのために生き、人間の存在の意味はどこにあるのか、それを自分とまわりのものに説明することが芸術の目的なのである。
この本を読んで、烏滸がましくもタルコフスキーの言う「同志」になれた気分。過去イチ折り目をつけた一冊に。良かった、ずっと芸術を信じてきて良かった。