私はいつもここにある
人生は変えられる
なんて思えば
期待に満ち溢れて
そうして
期待と同じだけ
不安も浮かんだりして
期待と不安は表裏一体で
切り離せないみたい
けれども
人生が決まっているなら──
☆☆☆
こんにちは!
フジミドリです♡
【癒や詩絵物語】
道術家の私が、見聞きした現象で感じたままを千字ほどの物語と詩へ編み、朔川揺さんの柴絵に添えました。
創作の背景など、別サイトへ揺さんとお喋りしつつ公開しております。
では早速──
☆☆☆
人生はすべて決まっている──
この思想と出会ったのは、三十路を過ぎて、彼が人生に迷い始めた頃だった。
生まれる前に決めている。人生とはこうであると、彼が前世で理解した通りに。
自分で決めたのだ!
映画でも創るように。
この世は三次元の立体映画。自分が映し出している。人や物、環境と出来事さえも。
三十数年に渡り、日々の暮らしで起こるあれこれと照らし合わせ、彼は問い続けた。
本当に決まっているのか?
人生で起こる何もかも。
決まってるから仕方ないのか。
この先も、死ぬまで彼は問い続けるだろう。最期の時はどんな感慨を持つのか。
ただ一つ確かに感じるのは、人生が決まっているなら、安心できるということだ。
たとえ何が起こっても、自分はどう反応しようと、決まっているから変えられなかった。そのままを受け入れてよいのだ。
すべてこのままでよい──
☆☆☆
『あはは~つい、自分の意志で選んでるって思えちまう。だから迷って悩んで苦しむぜ。でもまぁ、それも決まっているのか』
『これも決まってるあれも決まってる……突き詰めてみたんだよ。そしたら、まだ決まってない世界が感じられたのさ』
『中真のオレは、ただあることで心地よい。何も要らない。存在しているだけですっかり満ち足りてるんだよ』
『この世に起こる何もかも、前世の業を済ませているだけさ。酷い目に遭ったとしても、謂わば貸し借りの清算なんだぜ』
☆☆☆
私はいつもここにいる
風景だけが過ぎていく
鳥は飛び雲が流れ
車が走り人は去る
けれど
私はいつでも
ここにいる
風景だけが
遠ざかる
近づいては
遠ざかっていく
時間も場所も
本当はないのだった
私はいつもここにある
風景だけが過ぎていく
☆☆☆
お読み頂きありがとうございます!