1+1=2?
戦って殺し合うなら
1+1=0
競争の果てに
勝った方が残れば
1+1=1
男と女から
子供ができると
1+1=3
☆☆☆
こんにちは!
フジミドリです♡
【癒や詩絵物語】
道術家である私が、世の現象から感じたまま千字程の詩と物語を編み、朔川揺さんの柴絵に添えました。
創作過程などは、別サイトへ揺さんとお喋りしつつ公開しております。
では早速──
☆☆☆
いつとも知れぬ久遠の狭間、どことは言えぬ無限の果てに「1」があった。
1だけである。他には何もない。
心地よくひっそり暮らしていた1だけれど、ある時ふと気づいた。なるほどそうか──
1が1のままだと何も起こらない。
そこで1はもうひとつ1を創ることにした。1がそうであると思えばそうあるのだ。
1+1=2
こうして世界は二つに分かれた。
それまで、ひっそり暮らしていた1は、もうひとつ1ができたから、あれこれと理解していった。なるほどそうか──
例えば孤独。
もうひとつ1ができて初めて、1はそれまでの自分が孤独であると知ったのだ。
体験によって知る──素晴らしい!
元の1。それから分かれたもうひとつの1。どちらも1なので双方を体験できるのだ。
例えば不快な感じ。
心地よく暮らしていた1は、もうひとつ1、つまり心地よくないという体験で、初めて本来の心地よさが理解できたのだ。
なるほどそうか──
こうして次々と体験から理解は広がった。
光と闇。善と悪。愛と憎しみ。健康と病気。豊かさ貧しさ。調和と対立。生と死。
そう。死の創造である。
これによって1は、永遠不滅とは何か、深く理解できたのであった──
☆☆☆
『なんだってぇ。元は一つって言うのかよ。いやいや~それはありえないだろうね。あのクソ野郎とオレが一つだなんてムリ』
『あ。なんてこった。そういうことか。あの野郎はオレと違うんだって確認するために、オレが創り出した……やれやれ』
『たーしかに確かに。あいつはあいつでいいんだよ。気に入らねぇとわかるなら、オレはこのオレが気に入ってるってことだから』
『このオレがイヤなら、次の人生は他を選べばいいだけさ。世界を観ろ。見本が沢山だ。代わりにやってくれているぜ』
☆☆☆
1+1=0
殺し合いとは限らない
善と悪が相殺して
平和になったりする
1+1=1
二つが一つに溶け合う姿
1+1=2
意見を異にしつつも
独立して尊重し合う形だ
1+1=3
相反する二つが
調和して次の段階へ昇華する
ああおもしろい
いくつもの答えがあって
退屈しないのだ
1+1=∞
初めの1に戻ろうなんて
思いつかなくなった
☆☆☆
お読み頂きありがとうございます!