はたやノート

せうせつを書いています。見ての通り、横浜F・マリノスを応援しています。関西人です。 新人賞に落ちた作品のあらすじとステートメントなどを載せるつもりです。(11月予定) それまでは、文学や芸術について書きます。

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  • マイ・ベスト5

    私がいままで書いたノートのなかで「スキ」が押された上位5つのエントリーを集めました。

  • 創作系エッセイ

    私が創作の過程で思ったことを集めています。ほかのひとも参考にできるように書きました。

  • 批評/時評

  • 芸術と映画

    映画のような小説をつくりたい。芸術への理解を深めたい。そんな思いで書き綴る記録です。

最近の記事

DIC川村記念美術館 休館について

8月27日、DIC株式会社が運営をしているDIC川村記念美術館を翌年1月26日に休館することを発表しました。 これを受けて大勢の方が美術館に駆けつけ、駐車場は満車、東京駅からの直通バスは臨時便を出しても満席という状態になっているそうです。 また、佐倉市や有志がインターネットで美術館休館反対の署名を募集し、佐倉市のほうでは国内外からの署名が約3万筆集まったとの報道がありました。 個人的にいうと、このニュースに対する人々の反応にはいらだちを感じています。 DIC川村記念美

    • 物語の「折り目」について

      作品紹介『ドラえもん のび太と鉄人兵団』を読みました。 ドラえもんの長編マンガのなかでは最高傑作との呼び声が高いマンガです。劇場版はいまから40年近く前(1986年)の公開ですが、2011年にリメイク版が制作されたので、幅広い年代に知られている長編マンガでもあるかと思います。 どんな話かは、Wikipedia を参照していただくとよいと思います。あらすじが最初から最後まで書かれています。ネタバレになることを心配される方もいらっしゃると思いますが、心配はご無用です。 あら

      • 小説すばる新人賞落選報告と、物語の「折り目」について(こちらは次回)

        小説すばる新人賞。雑誌で通過作を確認したわけではないですが、最終選考の日付から逆算すると今日あたりが(最終選考に残ったという)連絡のタイムリミットとなります。それで、編集部からの電話がないということですので、落選がほぼ確定になりました。こちらは推定となりますので、この書き込みの内容を5ちゃんねるやSNSなどで書かないようお願いします。 残念な結果ではありますが、応募総数約1200編のなかの3編しか最終選考に選ばれないので、ゆったりと構えてはいました。1/400なんてなかなか

        • 『あまろっく』を観ました ~感想~

          前回、『あまろっく』の鑑賞を報告しました。あらすじなどはそちらに書いてありますので、ご参照いただけますとありがたいです。 今回は映画の感想について書き連ねてみます。 『あまろっく』は大衆演劇みたいな映画です。笑いあり涙あり、確かにその要素もあるのですが、それ以上に話の組み立て方が大衆演劇らしい。ここは巧妙であったと思うのです(ここから下の文章、まったく巧妙さをほめていないのですが)。 1.分かりやすい伏線 『あまろっく』にはいろいろな伏線が張られているのですが、そのどれ

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          『あまろっく』を観ました

          公開終了間際になってのレビューで申し訳ないのですが、大阪ステーションシティにて『あまろっく』を鑑賞しました。 通常料金で舞台あいさつ付き。『あまろっく』には興味がなかったのですが、芸能人の存在を確認できる、ということで行って参りました。 笑福亭鶴瓶さんと中条あやみさん、MBSの上泉アナは確かにこの世に存在します。この目で確認しました。 以下、『あまろっく』について解説(?)をします。 1.あまろっくとは? 題名の“あまろっく”は、尼崎閘門(こうもん)の通称「尼ロック

          『あまろっく』を観ました

          名作を読んでこなかったことが、恥ずかしい

          だいぶ前の話ですが、京都文学賞の1次選考通過作品の講評に目を通しました。今回はWebでの発表はありませんでしたが、書面での知らせがありました。事務局の京都新聞COMさんから、封書が届いたのです。 一日置いて、封書を開いて読みました。自分の小説に対して感想を述べられるのが初めてのことだったので、届いてすぐに読むには勇気が必要でした。読み始めは緊張しましたが、読み終えてすぐ、ため息をつきました。講評はこれからの自分の創作にあまり参考になるとは思えなかったのです。 それは決して

          名作を読んでこなかったことが、恥ずかしい

          2023年展覧会について振り返ります

          来年のことを言うと鬼が笑うといいますが、いまさら去年のことを振り返ると鬼はどうするのでしょうか? 鬼はこんなところをご覧にならないと思うので、2023年の展覧会を振り返ってみます。 私は2023年に58本の展覧会を観に行きました。そのうちのちょうど半分の29本が東京開催分で、関西での開催分は22本でした。現代美術(デザイン含む)の分野で、東京単独開催の優れた展覧会が多かったという印象です。 主なものを列挙します。 【ブロックバスター】  ・東京都現代美術館『クリスチャン・

          2023年展覧会について振り返ります

          東京国立博物館『やまと絵―受け継がれる王朝の美―』 感想

          東京国立博物館の『やまと絵―受け継がれる王朝の美―』を観てきました。 これまで幾度も日本の古典美術の展覧会に行っていますが、やまと絵だけに焦点を当てた展覧会は初めてでした。信貴山縁起絵巻や源氏物語絵巻、鳥獣戯画など、それぞれの絵巻物に焦点を当てた展覧会はありました。けれども、それらを「やまと絵」とひとくくりにして一堂に会した展覧会はなかったように思います。 Wikipediaにあるように、やまと絵には複数の意味合いがあります。 私の場合は、土佐派が引き継いだ絵画のあり方

          東京国立博物館『やまと絵―受け継がれる王朝の美―』 感想

          大阪中之島美術館『テート美術館展』感想

          注:今回は、美術作品について説明はしませんのでご注意ください。 文化の日に大阪中之島美術館に行ってきました。どうやら関西でも展覧会に足を運ばれるひとが増えたみたいで、かなりの混雑でした。 長沢芦雪の展覧会も観ましたが、今回は『テート美術館展』について感想を言います。 国際巡回展とのことですが、なにをやりたいのかさっぱり分からない展覧会でした。「光」という抽象的な言葉でけむに巻いた感が否めません。 考えてみれば、光というテーマは馬鹿馬鹿しく思えます。美術は基本的に“網膜

          大阪中之島美術館『テート美術館展』感想

          東京都現代美術館 『あ、共感とかじゃなくて。』感想

          はじめに 東京都現代美術館に行って、『デイヴィッド・ホックニー展』と『あ、共感とかじゃなくて。』を観てきました。 デヴィッド・ホックニーの展覧会はすごくたくさんのひとが来ていました。かなりの混みようでした。そこまで有名な作家さんではなかったので、意外でしたね。まあ、デイヴィッド・ホックニーはカラフルな画風で有名な画家なので、取っ付きやすいところがあるのかもしれません。 ホックニーの作品にはある種の奥深さがあります。iPadで描かれた作品が展覧会の後半に出てくるのですが

          東京都現代美術館 『あ、共感とかじゃなくて。』感想

          小説現代長編新人賞の結果が出ました

          小説現代10月号が発売され、そちらに第18回小説現代長編新人賞の1次選考結果が発表されました。私は本賞に応募いたしましたが、1次選考にて落選が決定いたしました。 新人賞に応募した時点で自分の作品をどのように評価するかは編集部の方々に委ねていますので、結果に対しての異議申し立てをするつもりはありません。 しかしながら、この結果には納得がいっていません。ただ期待を大幅に下回る結果を前に失望しています。企画がつまらなかったからなのか、設計が甘かったからなのか、それとも品質が悪か

          小説現代長編新人賞の結果が出ました

          芥川賞受賞作 『ハンチバック』感想

          遅ればせながら、芥川賞受賞作『ハンチバック』を読了しました。 簡単な感想を言いますと、小説として見過ごしがたい欠点はあるものの、純文学の「現代社会の一部分を描く」というところにおいては傑出しているので、芥川賞を受賞してしかるべき作品であったとの印象を持ちました。 まず、最初にあらすじを書きます。小説を批評するためですので、最後まで書くことをご了承ください。また、説明のため、一部、小説の書く順番やストーリーの時系列を変えています。 まず、ストーリーの構造について書きます。

          芥川賞受賞作 『ハンチバック』感想

          京都文学賞 1次選考を通過しました

          だいぶ前ですが、7月26日、京都文学賞の1次選考の結果が発表されました。どうやら私の作品が1次選考を通過したようです。 7月の末日まで、小説現代長編新人賞向けに原稿の見直しに時間を割いていました。過去に応募した作品の結果を知ると、落ちたときの悔しさのせいで見直しに集中できないと思って、なるべく見ないようにしていました。 けれども、7月30日につい見てしまいました。京都文学賞の公式Xアカウントが通過作のリストを貼りつけていたのです。 目を通すだけのつもりだったですが、自分

          京都文学賞 1次選考を通過しました

          京都文学賞中高生部門最優秀賞受賞作 高野知宙 『ちとせ』 感想

          高野知宙 さんの『ちとせ』という小説を読んだので、感想を書きます。 タイトルにもありますように、京都文学賞の中高生部門で最優秀賞を受賞した作品です。 京都文学賞には一般部門と中高生部門と外国人部門があります。一般部門の最優秀賞は出版化されるのですが、高野さんが受賞した中高生部門の副賞には出版化はありませんでした。にもかかわらず、小説が書籍になったのですから、この小説がどれだけ期待を持って世に出されたかが分かると思います。 本作品に苦言を呈する内容がありますが、1,700円

          京都文学賞中高生部門最優秀賞受賞作 高野知宙 『ちとせ』 感想

          大阪中之島美術館 『デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン』 感想

          大阪中之島美術館で(広義の)現代美術と工業製品、ポスターを並べた展覧会に行きました。 本展は現代に対する認識をとらえ直す展覧会として見れば、とても意義のある展覧会だったと思います。 一般的に、現代は“第2次世界大戦の終結”に始まったと考えられています。日本の歴史を時代ごとに区分すると、古代、中世、近世、近代、現代という並びになりますから、大きな戦争が終わった時代を区切りにするのは妥当のように思われます。 しかし、こんにちを生きる人間にとって、歴史上の時代区分をそのまま現

          大阪中之島美術館 『デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン』 感想

          京都文学賞に応募しました

          5月12日に締め切られました、第4回京都文学賞への投稿をしました。前回とは違って、トラブルなく送れました。関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。 原稿用紙換算で200枚でストーリーを企画していましたが、330枚程度になってしまいました。中盤から終盤かけて話が細かくなってしまったので、枚数がふくらんだ格好です。ただ、ミッドポイント(作品の中間地点)の場所が話の転換点になっているので、バランスとしてはこれでよかったのかな、とも思います。 結果はあまり期待していません。今作も前作

          京都文学賞に応募しました