オルチャタという飲み物を知ってる?実は栄養価がすごかった! バレンシアの夏の風物詩に迫るin Spain
暑くなるとスペインのバレンシアでは、みんなに好んで飲まれるものがあります。それは、オルチャタという白濁した飲み物です。日本では全く馴染みのないものですが、もしかするとタピオカのように、いきなり人気になるかもです。というのも栄養価が他の追随を許さないくらいすごいからです。
オルチャタとは
キハマスゲの地下茎(チュファ)の絞り汁に水、砂糖もしくは蜂蜜を加えて作られるのがオルチャータ・デ・チュファ(horchata de chufa)と呼ばれる飲み物です。バレンシアの夏には、これは欠かせません!
チュファ(chufa)と呼ばれる、なんとも形容しがたい微妙な植物が原料となっています。豆のようで豆でもない。土の中で育つじゃがいもをめちゃくちゃ小さくしたような根菜風です。一応、野菜の部類でしょうね。この時点で、「なんじゃそりゃ???」というような印象しか与えない奇妙な食べ物ですが、英語名は、タイガーナッツ(tiger nut)です。
ナッツ・・・!?でも、アーモンドのような木の実ではないので、いわゆるナッツ類ではありません。和名はショクヨウガヤツリということです。
ショクヨウガヤツリの塊茎は食用にできることもあり、本種と人間の関わりは非常に歴史が古い。古代エジプトでは珍重され、食後のデザートや大麦の飲料に甘みを加えるために用いられたと言われており、実際に墓から塊茎が発掘されている。引用:wikipedia
オルチャタのお味は?
バレンシア人が愛飲するオルチャタを初めて飲んだ時の感想は、「はぁ?」というものでした。
無駄に甘い・・・。
あえていうならば、濃厚な米のとぎ汁に砂糖を多量に投入したような、どうもいけていない味でした。(個人的感想)
でも、周りが「美味しいねー!」と嬉々として飲んでいると、雰囲気に流されて、だんだん慣れてきて、米のとぎ汁感は徐々に薄れてきました。
だからといって、大好きになることはない味でした。
が、、、!
あることを知って、見る目が変わりました。見る目が変わると、味もなんだか変わった気がします。つまり、積極的に良さを味わおうとする姿勢に自分が変わったということです。(権威づけに弱いんです。)
タイガーナッツはスーパーフード
なんと、チュファの別名であるタイガーナッツは、近年、パワーフードとして評価されているのです。その栄養価はなんと、食物繊維がごぼうの14倍も含まれているとのこと。
アンチエイジング効果が期待できるビタミンEも豊富で、タイガーナッツを8粒食べるだけで一日に必要なビタミンEが摂れてしまうほどだそうです。なんて、権威のある食べ物なんでしょう!(いままで、米のとぎ汁とバカにしていて、ごめんなさい。)
オルチャタのレシピでは、2リットル作るのに、500gのチュファ(タイガーナッツ)と砂糖が150gとなっています。
Para 2 litros
500 gramos de chufa
2 litros de agua
150 gramos de azúcar glas
オルチャタを一人200ml消費した場合、チュファは50gは摂取したことになります。これは、余裕で8粒以上です。(ついでに、砂糖も15g!)
オルチャタの楽しみ方
通常、オルチャタはファルトンと呼ばれるパン菓子とセットになっています。甘いものに甘いものを掛け合わせるのがスペイン流です。どんどん甘くなります。オルチャタにどぼんとファルトンを浸して食べるのが伝統的な食べ方です。
自分にはもはや甘すぎる世界なので、オルチャタは持ち帰りして、豆乳や牛乳で割って飲んでます。Bebida de chufaといって砂糖の入ってないチュファの絞り汁だけをオーガニックの店などでは取り扱っているので、そちらを混ぜて糖分を緩和するのもおすすめです。(豆乳と並びで陳列されていることが多い。)
オルチャタ専門店では、甘さを選べる場合もあります。液状かシャーベット状か選べる場合は、シャーベット状が美味しいですよ。
それでは、いつか日本でブレイクするかもしれない(きっとしない気もする)オルチャタですが、機会があれば是非お試しください。
以上、現地レポートでした。