薄くてパンチがない文章を、濃くて読みごたえのある文章にする方法
自分が書いた文章を読んで
「なんか薄いな……」
「思わず太字にしたくなるようなパンチラインがないな……」
と思うことはありませんか?
まずは文章を思い切り太らせる
文章を整えるときの鉄則は、
「太らせてからぎゅーっと絞る」
です。
まずは、太らせましょう!(躊躇はいらない)
最初の段階では、細かいことを気にせず、頭に思い浮かんだことをひたすら文字に変換させていきます。
「同じことを何回も書いちゃった?」「内容がちょっと薄い?」と思っても、気にしなくてOK。
ちょっとしたエピソードも、なるべくたくさん書き出します。
質より量の段階です。
こうして文章をぷくぷくに太らせたあとは、しばらく放置します。
時間を置くということですね。
放置中に思いつくことがあったら、それも書き足しておきます。
ちなみに、この段階で太らせ方が甘いと、あとでぜい肉を絞ったときに文字が残らなくなってしまいます。
とにかくなるべく多く、文字として生み出しておくことが大切です。
「ぜい肉言葉」を斬り落として絞り上げる
時間を置くことで、太った文章から自意識を引きはがすことができたら、次は「絞り込むプロセス」に入ります。
このとき、自分の中にめちゃめちゃ厳しいパーソナルトレーナーを召喚してください。
これがすなわち、編集者の人格です。
このパーソナルトレーナーは、過去の自分が書いた文章をまるで他人が書いた文章のように冷静な目で見ることができます(時間のなせるワザ)。
文章に潜むぜい肉を見抜き、文章の重複や、文章の流れをいちいち妨げる「ぜい肉言葉」を見つけ、バッサバッサと斬り落とすことができます。
ほかにもあるかもしれません。
うっかり見逃してしまうちょっとしたぜい肉って、意外とあるんですよ!
特に記事の文字数が限られている場合は、ぜい肉言葉を一文字でも多く削ることが大切です。
文章は、完璧で整った文章を少しずつ紡いでいくよりも、いったん太らせた文章からぜい肉を削ぎ落としていったほうが、筋肉質で濃い文章をつくることができます。
おそらく、削ぎ落とす段階で、筋肉(文章)が鍛えられるのでしょう。
最初から完璧を目指さない。思う存分書き散らかす。そのあと、一文字単位までじっくり綿密に削っていく。
1を足していって10を目指すよりも、20から引いていって10を目指す。
そのほうが最終的に、いい文章(ナイスバディ)に仕上がる気がします。
「自分の書く文章は、内容が薄い気がする」
「パンチがない気がする」
そんな方は、
文章を思い切り太らせる→ぜい肉を削ぎ落とす
の2段階を念頭に置いて、執筆に取り組んでみてください。