people in their 20's
小さい頃は雑誌や映画のお姉さんに憧れて早く大人になりたいと思っていた。
明らかにサイズの合わないお母さんのハイヒールを履いて、近所を散歩するのが好きだった。コツコツと響くあのヒールの音が可憐で心地よくて、映画のあの人になれた気がした。
私の人生はいつかドラマチックで、ロマンチックなことが起こるとあの頃の私は本気で思っていて。何かすごいことを成し遂げて、キラキラしてる自分を想像していた。
(多分キューティーブロンドの見過ぎだったと思う。)
あれほど憧れていた"大人"になってしまえば、立派なキャリアや、イケメンのボーイフレンド。ブロンドヘアとかタイトなワンピースは私には難しいと理解できる。
このまま順調に歳を重ねるのなら、せめて、
可愛く。可愛いく生きるよ。愛嬌たっぷりに。
なるべく皺を作らないように。ちゃんとごめんなさいが言えるように。人には優しく。好きな人には多すぎるくらい好きと言って。
小さな鞄を持って。ペディキュアを塗って。
ビールよりワインを。髪はしっかり乾かして。
そうやって、私の取るに足らない毎日を小さな可愛いで作っていこう。
せめて、ヒールをコツコツやっていたあの頃の私がガッカリしないように。
大袈裟に20代を生きて、30代、40代をカッコよく謳歌してやるんだから。
長生きするよ!(キュートにね!!)