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子供たちの短冊
2年前の今日、
平塚市の七夕まつりに、私たち家族はいた。
白地に花柄の浴衣を着る娘、
ブルーのトンボ柄の甚兵衛を着る息子。
「はぐれたら大変よ、しっかり手を繋いで」
とはしゃぐ背中に、何度も声をかけた。
広い道にはたくさんの人。
その上には、大きな七夕飾りが、いくつも風にそよいでいる。
赤に、緑、ブルーに、ピンク、黄色。
ラムネを飲んで、かき氷を食べ、
まだ食べ慣れていない息子は、
ナンジャコリャと顔をしかめていた。
ピンクと黄色のユーフォー型の綿菓子は、
大きいので姉弟で1つ。
取り合って、顔も手もべたべたにしながら食べていた。
楽しかったようで、帰り際はぐずって、
「また来年も来ようね」そんな約束をして帰った。
✴︎
今年の娘の短冊は、1枚。
小学校で、
「ホテルの人になりたい」と書いたそうだ。
共働きで、休みの日は溜め込んだ家事に追われ、
普段、なかなか時間を作れない私たち夫婦。
唯一、
子供たちとゆっくりし、遊び続けられる場所が、
年に数回行く旅先のホテルだった。
彼女にとって、ホテルは楽しい家族の思い出が詰まった場所のようだ。
日常に戻ると、
「ホテル楽しかったなぁ」と繰り返す。
そんな彼女が、
「ホテルの人になりたい」という夢を持ったのは、
なんだか嬉しいけれど、切ない。
他の1年生は、
「コロナが早くおさまりますように」と
書いた人が多かったそうだ。
息子の短冊は、2枚。
1枚は、「ホテルの人」
姉が大好き。姉の夢は、俺の夢、らしい。
それから、
「じーじばーばの家に行きたい」だった。
数年前に保育園で見た短冊には、子供たちの夢がいっぱい描かれていた。
プリキュアになりたい
ルパンレンジャーになりたい
車の運転ができるようになりたい
パパと一緒にお仕事をしてみたい
ケーキ屋さんになりたい
可愛らしくて、真っすぐで、
サラサラと風に揺れるさまが、眩しかった。
今、子供たちは、夢をちゃんと描けているのだろうか。
普段言えない我慢を、
短冊に託してはいないだろうか。
そんなことを思って、心が痛い。
「どうか一日も早く。」
この1年半、何度も願った言葉を、
曇り空の先に広がっているはずの星空に向かって、今再び願う。
✴︎
素敵な企画を先程知りましたので、こちらの記事で参加させて頂きます。
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