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    物で溢れる時代、画面に出てきたおすすめの商品を衝動買い、飽きてきたらフリマアプリに出品する日々。しかしたまにいつまでも手放したくなくなるぐらい気に入り、思い入れが生まれる物に出会うことがあります。そうした物を私的逸品と名付て紹介するマガジン。

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最近の記事

住んでみたい家 #5 コルゲートハウス

今回紹介するのはコルゲートハウスです。建築設備設計、プラントエンジニアとして知られる川合健二氏が設計、制作したセルフビルドの自邸です。水路や骨材ビンなどに使用される鉄製のコルゲートパイプでできていることから『コルゲートハウス』や『鉄の家』と呼ばれることが多いです。コルゲートハウスは数ある住宅建築の中でも特に衝撃を受けた家でした。以前、ダイマクション・ハウスの記事では好きな家は思想やコンセプトが明確にあり、それがデザインに反映されているものであると書きました。コルゲートハウスは

    • 住んでみたい家 #4 ダイマクション・ハウス

      ダイマクション・ハウスはバックミンスター・フラーによって1946年に考案されたモバイルハウスです。フラーは数多くの先見性のある思想を示しましたがダイマクション・ハウスもそんな先見性に満ちた試みの一つでした。モバイルハウスを想定して設計されておりプレハブ工法で輸送や設置が容易、従来の住宅よりも圧倒的に短い工期で価格も安く抑えられていました。今でこそ珍しくもない形式ですが1940年代からすると時代を先取りしたコンセプトです。 また、ビジネスモデルはアレクサンダー・ベルの電話通信

      • 住んでみたい家 #3 TETRODON

        妄想の中でも住んでみたい家や住宅を紹介するコーナー、今回は1960年代にフランスのAUA(Atelier d'Urbanisme et d'Architecture)によって作られていたプレハブ工法の住宅、TETRODONです。情報はほとんどなく日本語の記事は検索しても出てこないようなマニアックな物件です。 TETRODONは60年代から70年代の人口増加対応のために多数登場したフレハブ住宅の一つです。特徴は輸送時は側面のパネルが内側に収納されコンテナ規格のサイズ収まること

        • 押入れの収納棚をDIY

          現在の借りている家は築50年近い年季の入った集合住宅。リビングダイニングはリフォームしてありますが元は和室、収納は押入れの扉を変えたものになっています。今回はこの押入れ収納の左半分を改良していきたいと思います。中板の上半分は小物を整頓できるように収納棚を入れようと考え、した半分は大きめの物を収納するスペースとしました。上半分に設置する棚は既成品でも良かったのですがピッタリのサイズが良かったのでDIYに挑戦します。材料はG-Funフレームというアルミフレームを使用、天板は家に余

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          住んでみたい家 #2 百窓

          住んでみたい家としてFUTUROの記事を書きましたが世の中には他にも興味深い家がたくさんあります。そんな家や建築を妄想の中で訪問する記事です。 今回の妄想の家は通称「百窓」と呼ばれていた住宅。正式名称は「試みられた起爆空間」といいます。立方体の建物で1側面に丸窓が25個、4面で100個の窓がついていたため通称「百窓」や「百目」と呼ばれていました。 世田谷区にあった個人宅ですが現在は取り壊されて存在しません。諸説ありますが1965〜1985年頃に存在していたとされます。その

          住んでみたい家 #2 百窓

          2022年のデスクツアー

          2022年も終わりに近づいてきました。現在の住居に引っ越しをして1年半ほど経過し、デスク環境も整いつつあるので紹介します。元々の部屋がきれいな白い壁だったのでそれに合わせて色はホワイト系、ごちゃごちゃしないよう極力シンプルめを目指してアイテムを選びました。デスク本体は渋めの不動産物件の紹介でも知られる東京R不動産と運営元が同じインテリアや建具のパーツショップ、toolboxで購入。部屋があまり広くないため小さすぎず大きすぎないものが欲しかったので脚と天板をそれぞれサイズオーダ

          2022年のデスクツアー

          私的逸品 #11 岡本太郎の『顔のグラス』

          本当に気に入った私的逸品の第11弾。「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」のCMでも有名なキリンのロバートブラウンのノベルティ、岡本太郎の『顔のグラス』です。 私的逸品 #8 海洋堂のソフビフィギュア『太陽の塔』でも紹介の通り私は岡本太郎が好きです。『顔のグラス』はそんな岡本太郎好きにはたまらないアイテム。上野の東京都美術館で開催されていた岡本太郎展で現物を観て、どうしても欲しくなりオークションサイトで購入。 キリンビールがアメリカのシーグラム社と提携してキリン・シー

          私的逸品 #11 岡本太郎の『顔のグラス』

          住んでみたい家 FUTURO

          以前、中銀カプセルタワービルという建物に住んでいました。つい先日に老朽化のために取り壊されてしまいました。70年代に日本で起ったメタボリズムという建築思想で設計された小さなカプセルが連なって全体を構成する非常に面白い建物でした。以下の記事でも紹介していますが入居当初から雨漏り、お湯が出ない、激狭など住居として使うにはなかなか厳しい条件。しかしそれに勝る物件の魅力が詰まった物件でもありました。 そんな経験からこれから住むなら普通のよりも何か特徴がある家や面白みがある家が良いな

          住んでみたい家 FUTURO

          自作PCの冷却性能向上

          以前BD4というケースを使って自作PCに挑戦しました。しかしCPUの冷却が少し弱い状況だったので今度は冷却性能を強化していきたいと思います。 BD4はケース自体がヒートシンクになっています。CPUからヒートパイプでアルミ製のケース側面に熱を逃がす仕組みになっていますがメーカーによると冷却性能はTDP65W程度まで。インテルの12世代CPUはハイブリットコアアーキテクチャを採用しているためTDPではなく低負荷時のPBPと高負荷時のMTPで熱設計電力の値を表します。今回使用して

          自作PCの冷却性能向上

          私的逸品 #10 図工室の椅子

          本当に気に入った私的逸品の第10弾。今回の逸品は図工室の椅子です。一度は座ったことがあるのではないでしょうか。正式名称では「角椅子」というそうです。 世田谷の奥沢にあるお気に入りのショップ、D&DEPARTMENT Tokyoで購入。ロングライフデザインをテーマにしたD&DEPARTMENTでは新品、中古品を問わず長く使われてる良質なプロダクトがそろっています。好きなものど真ん中のセレクトが多いのでいつ行っても長居してしまいます。今回購入した角椅子は実際にどこかの学校で使わ

          私的逸品 #10 図工室の椅子

          私的逸品 #9 TAJIMAのカッターナイフ

          本当に気に入った私的逸品の第9弾。今回の逸品はスタンダードなデザインのカッターナイフ、TAJIMAのスタンダードタイプ303です。品番はLC303YBL。カラーバリエーションは黄、赤、青の3色展開で、私の所有しているのは黄色のモデル。本当にスタンダードな形状でカッターナイフといえばこの形状を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。 非常にスタンダードな形状ですがよく見ればスタイリッシュなフォルムに気が付きます。ABS樹脂製のグリップ部分は細身でスマートな印象。後部の刃折り

          私的逸品 #9 TAJIMAのカッターナイフ

          私的逸品 #8 海洋堂のソフビフィギュア『太陽の塔』

          本当に気に入った私的逸品の第8弾。今回の逸品は海洋堂のソフビ製フィギュア、『太陽の塔』です。私は『太陽の塔』が好きです。なんとも言葉では言い表せない生命力というかエネルギーみたいなものを感じます。 製作は緻密な造形で有名な海洋堂。1/350スケールの塗装済み完成品です。高さは約20cmほどで1/350のスケールから考えると実物がどれだけ巨大であるかが分かります。造形は非常に良くできており海洋堂の技術の高さが伺えます。表面の細かい凹凸や色のついている部分が一段深くなっていると

          私的逸品 #8 海洋堂のソフビフィギュア『太陽の塔』

          シンプルなPCケースDB4で自作PCに挑戦

          新しいPCが欲しくなりDB4という製品を見つけました。シンプルで一見PCに見えないデザイン家電のような外観が気に入ったのですが、この製品は完成品ではなく自作PC用のケースでした。今回は思い切ってDB4を使った自作PCに挑戦することにしました。 リサーチとパーツの選定自作は初めてなので調べながらパーツをそろえていきます。DB4はPCケースとしては立方体に近い特殊な形状で内部のレイアウトもクセがありので使用できるパーツは慎重に選ぶ必要がありそうです。まずはCPU、マザーボードあ

          シンプルなPCケースDB4で自作PCに挑戦

          私的逸品 #7 高性能ガスコンロ、リンナイのVamo

          本当に気に入った私的逸品の第7弾。今回の逸品は無駄を廃したシンプルなデザインの高性能ガスコンロ、リンナイのVamoです。 Vamoはリンナイがネットショップ限定で販売している無骨な外観のガスコンロです。グリルなどはついておらず火力調整のつまみと安全装置のボタンのみのシンプルなデザイン。無塗装の外観はステンレスのシンクにも見た目の相性が良いです。 五徳やバーナー部分を取り外すと天面がフラットになっており掃除がしやすいです。受け皿は底部についておりこちらも掃除がしやすく清潔感

          私的逸品 #7 高性能ガスコンロ、リンナイのVamo

          私的逸品 #6 LAMYの万年筆 safari

          本当に気に入った私的逸品の第6弾。今回の逸品はドイツの筆記具メーカーLAMYの万年筆、safariです。LAMYと言えばsafariを思い浮かべる人も多いのはないでしょうか。LAMYのプロダクトの中でも特に人気の高いアイテムです。safariの魅力は合理性、機能主義を追求するドイツの工業製品らしさではないかと思います。 万年筆という歴史ある筆記用具を現代的な合理性、機能性のコンセプトで再構築したようなデザインです。軸の部分は生産性や形状、色の自由度がが高いプラスチック製。軸

          私的逸品 #6 LAMYの万年筆 safari

          私的逸品 #5 五十嵐威暢デザインのカトラリー TI-1

          本当に気に入った私的逸品の第5弾。今回の逸品は彫刻家、デザイナーとして活躍する五十嵐威暢氏デザインのカトラリー、TI-1シリーズ。 かっぱ橋道具街の店でこのカトラリーを見つけ一目で気に入り購入。グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、彫刻など幅広い分野で活躍されている五十嵐威暢氏によるデザインです。極力直線と円のみで構成されたミニマルな造形が特にお気に入り。幾何学的なフォルムは20世紀初頭に流行したアールデコ洋式のプロダクトを思わせます。 製造は金属加工産業地として知ら

          私的逸品 #5 五十嵐威暢デザインのカトラリー TI-1