#48 脅威と向き合うこと / Embracing Fear
自分の場合、…実のところ、これと言って特に考えていません。
いえ、もしかしたら、少しは何かを考えようと思って、noteを書いているのかもしれません。例えば前回は、こんな図を描きました。
概念的思考は、重要か?
情報化社会に伴って、オフィス・ワーカーは以前より「概念的」に仕事をすることが求められていると思います。
その意味では、概念的な人は将来安泰かもしれないし、概念的でない人は、メガネのような何らかの(今はまだ存在しない)補助装置を手に入れることが、最終的に知的労働社会で生き延びるための条件になっていくと言えるでしょう。
AIと政治力
…とはいえ、現在のオフィス社会では、概念力のある人よりも、概念的な人を上手く利用する政治力がある人が圧倒的に強いです。
スティーブ・ジョブズはiPhoneの創始者として有名ですが、本物のiPhoneの創始者たちが、iPhoneに断固反対していたスティーブ・ジョブズを説得するために奮闘した歴史を、私たちはよく知りません。
AIが概念的な仕事を担うようになったとき、政治力のある人は、これまでと変わらずにAIを上手に利用出来るかもしれません。最終的にAIが人間を乗り越えるまでは。
人間の生物的キャパシティ
それに、概念的思考って、疲れませんか。
エネルギーを消費して脳疲労が起きませんか。
今まで共感してくれる人に出会ったことはないのですが、それでも私は、「人間は、知的労働には向いていない」という言葉を時々口にします。
もちろん、概念力を酷使して疲れるのは、私自身がその労働に向いていないからだ、と言えます。さもなくば普通の人間が、工業時代と同じ時間労働的な働き方で、概念力をフル稼働することに無理があるのでしょう。
水面下の改革
概念力に優れた人であっても、工場主も同じ概念力がない限りは、工場主はその仕事を評価することは出来ません。言葉を理解することが出来ませんし、せいぜい、完成品を目の当たりにして、ようやく氷山の一角の一側面を見れるだけです。
AI時代が本格的に到来して、取り扱う情報レベルが跳ね上がり、水面下の世界が深くなればなるほど、人間はもっとお互いを理解することが難しくなる、と私は思うのです。
この関係を終わらせるためには、概念力に優れた人々が、「自分はそういうのは良いや」という無意識バイアスから開放されて、自ら政治力のある工場主になっていくしかないのかもしれません。
異国の商人の生き方
経済発展と共に、町人(商人)の組織は、統廃合が進んで大きくなりましたが、今でも、経済発展をリードしない国々へ行けば、個人が当たり前のように自分の店を持っている様子を見ることが出来ます。
例えばフィリピンでは、同じストリートに、似たり寄ったりの個人商店や食堂ばかりが並んでいて、私たち日本人はそれを非効率に思い、M&Aで経済的にもっと豊かになりたくないか?と尋ねて回ったことがあります。
「お客さんもいるし、十分に稼いでいる。なぜこれ以上稼ぐ必要がある?」というのが、彼らの答えでした。
思えば、昔の日本もそうだったはずです。しかし、日本全国でイオン化が進んだ結果、老後の買い物に困るようになりました。そして、駅近の物件を買うために、ますますお金が必要になりました。
豊かさと幸福について
経済的に豊かな国ほど、job satisfaction (仕事の満足度)が著しく下がる傾向があるという話を聞くことあります。
その要因の一つに、オーナーシップの不在があるかもしれません。仕事を理解できるはずのない工場主のために、エネルギー消費率が高い概念思考を使ってコミットしているから、幸福が失われていくのだ、と感じています。
少なくとも、自分が自分のオーナーにならなくて良い、という考えは止めるべきだと思いました。たとえ、何も変えられなかったとしても。
ラピュタの世界
人間は昔から、技術がもたらす革命の脅威を感じていたのでしょうか。
技術発展が代えがたい豊かさをもたらす一方で、我々人間は、生物的に進化を加速することが出来ません。私たちのDNAは、今もサバンナを生きています。
AIと言えば、「自分がどう生き残るのか」という話が多いですが、それは未来のムスカ大佐を生むだけかもしれません。
王様に、ゴミのような人間の一人として海にバラ撒かれる前に、地に足をつけて生きるとはどういうことなのか、考える必要があるのだと思います。
自然の脅威
私は山が好きです。湖が好きです。海も好きです。
川のそばに住みたいタイプです。
自然は時として脅威となり、人間の生命を奪います。
それにも関わらず、人類は何故、自然に癒され、感動し、時に救われるのでしょうか。
新しい季節の訪れを感じながら、去年とは違う未来を見つけてみたいなと思います。
Embracing Fear
美しい季節で見つかる明日が、きっとある
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