(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
歴史の中で、あまりに運命的で儚くも美しい一瞬を切り取ったツヴァイク晩年の傑作。
「人類の星の時間」。
多くの伝記文学と短編、戯曲を書いた筆者のシュテファン・ツヴァイクは言います、この世界の歴史は、無数の坦々たる事象が流れ去る中で、ほんの一瞬、運命の悪戯のような時が稀に産まれ、その一瞬が世界に光を放つと。
ゲーテ、ナポレオン、ドストエフスキーなどの天才が輝きを放った、世界史における運命的な12つの瞬間を凝縮し、描き切ったのが本書となります。
この本の感想を一言では言い表すのは、あまりに難しく…
その運命的な物語、そして、ツヴァイクが紡ぐ言葉の節々。その儚さと美しさに、ただただ息を呑みます。
上記は、物語の中で垣間見られるツヴァイクの所管となりますが、歴史を動かす「人類の星の時間」の一瞬は、取り巻く人と世界にとって、果てしない影響を与えることが心に残ります。
その上で、やはり本書の肝は、ツヴァイクの歴史観になるかと思います。
改めて思うのは、歴史には、様々な側面があること。
偉大な文豪家のトルストイは、「歴史(世界)とは、一人ひとりの人間の総和によって、形作られる」と言いました。
また、偉大な歴史家のカーは、「歴史とは、歴史家とその事実のあいだの相互作用の絶えまないプロセスであり、現在と過去のあいだの終わりのない対話なのです」と。
両者共に、歴史とは、人、そして、過去から現在に至る事象の総和だと。
ツヴァイクも、それを肯定。その上で強調するのが「人類の星の時間」。
どんな場合においても、世界はそう簡単には動きません。取るにたりないことや平凡なことを、坦々とこなし続けなければならない期間は不可避です。しかしながら、そんな日々の中でも、前を向き続け、歩み続けたならば、ある時、世界が変わる一瞬があることも、また大きな真理。
いつか必ずその瞬間が来る、その希望と意志を失わず、これからも倦まず弛まず歴史を紡いでいきたいです。
P.S.
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