(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
支援の価値・意味を考え直される一冊。
帯に書かれたコピー、「どうしたらあの人の役に立てるのだろう?」。
この本では、「協力関係」の原理原則が読み解かれていきます。本書の素晴らしい点は、一見精神論かと思いきや、その中身は、理論と具体例が連ねられた極めて実務的であることです。
著者エドガー・H・シャインさんは、「支援とは、人間関係の基本である」と述べた上で、社会的通貨でもあると言います。
つまり、支援を機能させられなければ、関係性・社会が上手く成立しないことに繋がります。
その上で、本書が過去の協力や支援に関する論考と一線を画すことは、クライアントと支援者の力関係の不均衡さを問題視したことです。
一般的に、クライアントに対し、支援者の方が力が上になりがちですが、著者は、双方が尊重されつつ、公平である方が望ましいと言います。この真理に至れたのは、本当の意味で人の役に立つ、立ち続けることの難しさから、著者が目を逸らしてい無いからです。
現実、「親切のつもりで」、「相手の助けになるように」とった行動が、実は相手にとってはそうでなかったということも少なくありません。それを起こす原因こそ、クライアントと支援者の力の不均衡にあると、著者は突き詰めました。
確かに…これは本当にその通りで。
多様さとフラットさを備えた組織は、多様な情報が交わる場を創出するため、イノベーションの鍵として取り上げられます。ただ、それだけに留まらず、日々の活動においても、支援・協力がより大きなアウトプットに繋がるのは、大きな示唆があります。
また、監修者の金井壽宏さんは、有名な『サーバント・リーダーシップ』の監訳もされています。
従来のリーダーシップとは異なるあり方を示した有名な一冊。トップダウンは、もちろん早いです。しかし、トップダウンだけでは、実現できないフラットな繋がりによる価値の創出があると。
ただ、その上で、いかにスピード感やオーナーシップをも伴う組織を作り上げていくべきか。
ああ…それを実現されているのが、アメリカの巨大テックカンパニーのGoogleやNetflixなのか…
TOYOTAやドラッカーという、一時代前のベストプラクティス・理論から学べることは多く、今でも拠り所にし続けているけれど、今の世界の最先端をもっと知る必要があるなあ…そこにレガシー産業の突破口があることは間違いありません。
話が広がってしまったけれど、支援学の重要性を心に入れるとともに、無知の知、学びの穴を常に気付けるようにしていきたい。
P.S.
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