時には何百ページの本よりも数十ページの絵本からだって学べることは山のようにある。
私の読書遍歴。
子どもの頃に読んだり読んでもらったりした絵本から、徐々に児童書や伝記や百科事典も読むようになり。
シリーズ物の文庫にハマり、そこからさらに派生して日本文学や海外文学を読むようになって。
その間、親は渋い顔をしていたけれど大量の漫画も読んでいた。
社会人になったら今までのものに加えて、エッセイやハウツー本、必要に応じて様々な専門書も読んだ。
そして。
子どもが生まれたら、また絵本に戻った。
育児書片手に。
「ころべばいいのに」
著:ヨシタケシンスケ
このマイナス要素なタイトル。
人間なら時には口に出さなくともついチラッと思ってしまう、不幸を感じる言葉。
でもそれって正直な自分の気持ちで。
でもでもそんなことを思ってしまう自分ってヤだな、とも思ってしまう。
そんな時の対処法。
そんな時の考え方のヒントが書いてある。
ぐちゃぐちゃでイヤな気持ちになった時。
一つでも、自分の気持ちを前向きにしてくれるとっかかりがこの絵本から見つかるといいな。
ヨシタケシンスケさんの絵本は何冊か手元にあるけれど、子どものためにというのは表向きで。
パラパラと内容を把握して、これは手元に置いておきたい本だ!と即買いした1冊だ。
絵本は子どもの読み物というイメージがどこまでもいつまでもありがちだけれど。
今の絵本って本当に色々あって、スゴくて。
この「ころべばいいのに」の主人公は子どもで、発想も笑っちゃうような内容が多いのだけれど。
私はどうしても子ども向けに思えなかった。
もちろん、ヨシタケシンスケさんの画力と文章力と構成力がぐちゃぐちゃでイヤな気持ちになっちゃった子どもたちに、ちょっとでもなにか心に響くよう描かれている。
けれど大人だからこそ。
子どもよりも複雑で難解でぐちゃぐちゃな気持ちになっちゃう事ってよくあると思う。
そんな時に大人が感じてほしい、ヒントがこの絵本には盛りだくさんなのだ。
絵本を手にすることは全然恥ずかしいことではない。
中学生でも、高校生でも、大学生でも。
びしっとスーツを着こなしたビジネスマンや、仕事も恋も華麗にこなしそうな女子でも。
おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃんでも。
何百ページもある本から学ぶこともたくさんあるけれど、数十ページの絵本からも学べることや気付かされることはたくさんある。
ちょっと疲れた時に。
ちょっとホッとしたい時に。
ちょっと自分と向き合いたいなと思った時に。
ぜひ、絵本コーナーものぞいてみてほしい。
絵本のタイトルはとてもシンプルだ。
目に留まったその絵本のタイトルは、あなたが今、欲していることかもしれない。
そして絵本だから絵に癒されることがあってもいい。
ジャケ買いだってOKなのだ。
絵本は時にはインテリアにもなる。
絵本は侮れない。
子どものものだけにしておくのは本当にもったいない。
子ども目線の絵本こそ、シンプルに学べることが見つかるかもしれないから。
※こちらの記事はInstagramに投稿した記事を大幅に加筆修正したものです。
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