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【読書】三四郎(夏目漱石)『おれも度胸のない男だったなぁ』

 
度胸のない男のことを一冊かけて読まされているようだった。

それが文学なのだろう(知らんけど)。

 
とくに好きなのはこの場面。

女は瞳を定めて、三四郎を見た。三四郎はその瞳の中に言葉よりも深きうったえを認めた。
――必竟あなたのためにした事じゃありませんかと、二重瞼の奥で訴えている。三四郎は、もう一遍、
「だから、可いです」と答えた。
雨は段々濃くなった。雫の落ちない場所は僅かしかない。二人は段々一つ所へ塊まって来た。肩と肩と擦れ合う位にして立ち竦んでいた。雨の音の中で、美穪子が、
「さっきの御金を御使いなさい」と云った。
「借りましょう。要るだけ」と答えた。
「みんな、御使いなさい」と云った。

三四郎(新潮文庫)P.235

 
ここでこの章が終わる。

「えっ?」って感じ。

このシチュエーションで、借りた金のことしか話せないのか三四郎…。

 
いや、わかる。

わかるぞ三四郎。

大学生の頃にバイトしてたディズニーランドに入社してきた女性。

オリエンタルランドに入社。

頭が良いどころか、京大院卒。

綺麗で愛嬌も良くて、スタイルも超良い。

『綺麗なお姉さんは好きですか?』どころの話じゃない。

日東駒専大学で、体のコンプレックスだとかを色々抱えて、オタク街道を歩んでいた童貞の自分に告白なんて出来るわけがなかった。

そんなわたしと映画(もののけ姫(1997))デートしてくれた彼女は今でも元気だろうか? 

 

そんな昔のことを思い出しながら読んだ。

結婚した今となっては、ちょっとほっこり、懐かしくなった。

自分語りどうでもいいですね。

読んでいただいた方すみません…。
 

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