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人工衛星

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人工衛星をめぐるルールを3分で解説しています。
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#ロケット

3分でわかる衛星リモセン法〜リモセン記録の取扱者認定〜

3分でわかる衛星リモセン法〜リモセン記録の取扱者認定〜



高分解能のリモセン記録は、原則として①許可を受けたリモセン装置の使用者、②特定取扱い機関、③認定を受けた衛星リモセン記録取扱者認定を受けた者にしか提供できません。
認定制度は、テロリストなどにリモセン記録が渡って悪用されてしまうことを防止するため重要です。
今回は、認定を受けるためには何が必要かを取り扱います。

認定制度リモセン記録を取り扱う者は、申請によって内閣総理大臣の認定を受けることが

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3分でわかるコンステレーションの法律問題

3分でわかるコンステレーションの法律問題



コンステレーションとは?2019年5月23日、SpaceXは、約12000機の超小型衛星からなるシステム「Starlink」のうち、60機の打上げに成功しました。
Starlinkは、地球上のあらゆる場所で最大1Gbpsのインターネット接続を提供することを目的とするプロジェクトです。

上の図からわかるとおり、大量の超小型衛星が軌道を周ることで地球上のどこにいても通信が可能となります。
また、

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3分でわかる宇宙のサイバーセキュリティ

3分でわかる宇宙のサイバーセキュリティ



人工衛星に対するサイバー攻撃人工衛星は、通信やGPSはじめ広く民生技術としても活用されていますが、使い方によっては人の生命をも奪い得る能力を秘めています。
例えば、複数の衛星が同一地点に向けて電波を発すれば巨大な電子レンジが出来上がりますし(殺人兵器になり得ます)、GPSの信号に誤りを生じさせて自動運転車の事故を発生させることも可能でしょう。
そうだとすれば、人工衛星あるいはその設備をハッキン

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3分でわかる宇宙ビジネスの資金調達(その2)

3分でわかる宇宙ビジネスの資金調達(その2)



前回の「3分でわかる宇宙ビジネスの資金調達」では、デット(借金)とエクイティ(出資)の違い、プロジェクト・ファイナンスとアセット・ファイナンスの違いなどについて解説しました。

ところで、アセット・ファイナンスでは、お金を貸す側が会社の資産を担保に取ったりすることで、返済してもらえるようリスクヘッジをします。ここでいう担保については、宇宙ビジネスの資産専用の制度があるわけではなく、昔から地球に

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3分でわかる中国の宇宙物体登録(宇宙物体登録管理弁法)

3分でわかる中国の宇宙物体登録(宇宙物体登録管理弁法)



中国の宇宙物体の管理体制宇宙物体登録条約は、宇宙物体についての登録制度を定めています。
登録によって、どこの国が何を管理しているか、また、どの宇宙物体について責任を負うかが明らかとなります。

中国では、国内法として宇宙物体の登録制度を設けており、その制度を支えているのが宇宙物体登録管理弁法です。
同法の目的として、以下の点を実現することが規定されています。

・宇宙活動に対する国の管理を強化

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