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きっかけはいつもそばに

「なんか上手くいかない」「現状に不満がある」ことは多々あれど、どうしたら良いか分からない。

常に誰かが悩んでいそうな程にありふれたこの悩みの解決の糸口は、些細なことなのかもしれない。

青山美智子さんのこの小説では、
たくさんの主人公が猫のお告げをきっかけに人生が好転していく。

その人は、娘と仲直りする父親だったり、諦めた漫画家を再び志す主婦であったりする。

きっかけとなる出来事はどれも現実に起きそうなことであり、特にSFのような非現実的なことでは無い。主人公はみな、猫のお告げを意識して行動を変容させることで良い偶然を引き寄せていく。

この話の示すところは、「変化のきっかけは日常にある」ところだと思う。

父親の例にしても、それまで娘に許可していなかったライブ参加を認めているし、主婦の例でも、漫画家アシスタントの募集に申し込んでみることから変化が始まっている。

だから特別なことは必要なくて、いつもと違う行動こそが変化のきっかけになるのだと思う。

(限定的ではあるけれど)キャリアの考え方にも似たような考え方がある。
計画的偶発性理論と呼ばれるそれは、キャリアの8割は予想もしない偶発的なことに左右されるから、偶然を計画しようよというもの。

キャリアに関わらず、
変化のきっかけはいつもなんてことのない日常生活の中で偶然起きる。

些細なきっかけに気付き、勇気を出して行動してみることで、人生は少し自分の思い通りになるのかもしれない。

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