卒業式を終えて

卒業式を終えて、思うこと。

この日が来てホッとして、ゴールにたどり着いた、という思いにまみれながら、子供たちからの色紙と花束をもらい、3年間という時間を清算できた、という思いが強い。

それでもどこかに引っかかる何かがある。これでよかったのか、何かできることがもっとあったのではないか、という思い。この姿は果たして卒業にふさわしいのか?という思い。その思いも少し仕舞って、子供たちの門出を祝うことが、我々のできる最後の仕事であると信じ、感謝を受け取って承認し、明るい、前向きな言葉と送りだすということ。

つまるところ、教育は、「贈る」営みであるということ。
贈り物を受け取った人が愛情を感じるように。
指導とは、教育活動とは、規則を守らせるのではなく、何かを贈るということであること。こちらが贈ったものとしてではなく違う形で受け取っているものもあるかもしれない。それに、受け取る時間には個人差があること。ある日気づくものがあるということ。
受け取らないことを、教師が辛抱しなくてはならないことがあること。

三月一日に子供たちがどういう思いで巣立って行くのか。
『卒業式の時に「先生ありがとうございました」と思うこと。それが教育である』ということ。教師が送った何かを、子供が受け取ったから成り立つこと。子供が他者と関わる中で大人になっていくこと。他者と関わる学校は、人生を豊かにする、素晴らしい場所であること。

どれだけ子供がありがとうございました、と思えた3年間だったのか?
そのことの答えは出ないのかもしれない。

それでもそれを意図的に作り出すのが、我々が求められている職務であるように思う。
水をやった分芽が出ると信じて水をやり続けること。

また4月から、新しい環境で、再スタート。
巣立っていったみんなも新しい環境でスタートするように、自分も。



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