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得意なことが見つからないあなたへ:文章を書くことで見えた自分の本当の姿
「得意なことは何ですか?」と聞かれるたびに、ぐっと唇を噛んでしまう。本音を包み隠さず話すと、文章を書くのが得意だと言いたい。だが、その言葉を口にするのが怖くて仕方がないのも事実だ。
文章の執筆や編集を生業としているけれど、それが得意かどうかはわからない。どちらかといえばできることに分類されるような気もする。得意とできることには大きな差があって、その壁を乗り越えるのは容易ではない。
小さい頃からさまざまな文章に触れ続けてきた。だが、文章を書きたいと思ったことは一度もない。書くよりも読む方が楽しいと子どもながらに理解していたためだ。加えて、自分には文才がないと諦めていた節もある。最初から諦めるなんてダサくて仕方がないけれど、これが自分だと割り切るしかない。
文章を書きたいと思い始めたきっかけは、小学生の時に読書感想文で賞をもらったことだ。何の知識もない状態で書いた文章が誰かの目に留まり、賞をいただくという結果を招いた。受賞を耳にしたときに喜びよりもこんな文章が選ばれたんですか?と先生に聞いたことを今でも覚えている。そして、たった一つの成功体験が僕を物書きの世界に引き摺り込んだ。中高生時代はブログに文章を綴り、社会人になってからは文章を書くのをやめてしまっていた。
ブロガーブームの到来を知り、好奇心のままにブログを再開した。今読み返すとお粗末な文章で恥ずかしいのだけれど、知識がない方が純粋に文章を楽しめていたのは事実だ。
たくさんの心揺さぶる文章に触れるたびに、同じように書いてみたいという思いが芽生える。その気持ちを胸に文章を書いても、どうもしっくりこない。どれだけ頑張って書いても、納得のいく文章にはならず、そんな自分に嫌気が差す。今でも素敵な文章に触れるたびに嫉妬心と絶望が同時にやってくる。
ちなみにこのnoteは仕事を獲得するのが目的ではなく、自分の思いを表現するために始めた。そこから毎日更新を1800日以上継続できている。この事実は自身に継続力があるという気づきを与えてくれた。だが、文章を書くこと自体を得意だとは思えない。いつの日か、自分の得意なことは、文章を書くことですと言えるようになるのだろうか。その答えは誰にもわからなし。ただ一つ言えるのは、これから先も文章を書き続けたいということだ。書きたいという欲がなくならない限りは文章を書いていよう。その積み重ねが自信に変化するはずだと信じて。
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