書籍『生きて死ぬ智慧』について
この本は般若心経を科学者が現代語訳したもの。
発売当時に話題になっていてリアルタイムで読んで衝撃を受けた。
それ以来何度か買い直してときどきパラパラと見たりする。
が、読むというよりははじめて読んだときの衝撃を確認する程度にみる感じだ。
般若心経についてはほぼ知らない。
10年前ほどにSNSで般若心経の現代語訳がバズっていたが、残念ながらその訳もよく分からなかった。
この本で衝撃を受けた箇所は、「目でみると私とあなたは別々に見えるけど、量子の世界からみると量子の濃淡があるだけで量子しかない。私とあなたは同じ量子。そして繋がっている。私たちは宇宙と繋がっていて、すべてはひとつだ」。
たしかこんなことが書かれていて、これはすごいと興奮した。いまも変わらずすごいこと書いてるなと思う。
物事がうまくいかないときや体調が悪いとき、上の記述のことを思い出すと少し楽になる。
自分の外側のことも内側のことも、刻一刻と変化していて、同時に別の側面(量子からみた世界)では何ひとつ変わっていないと思えるからだ。
ちなみにいま量子ってなんだよって電子辞書で調べてみた。
量子とは物理量の最小単位。
物理量とは位置、質量、エネルギーなど。だそう。
たとえば質量の最小単位ってことか。
良いことは良いと飽きるまで感じていていいと思う。
逆に自分にとって嫌なことや都合の悪いことは、たとえば「でも本質的にはプラスもマイナスもない、すべてはひとつ」と考えられると、マイナスを±ゼロに置きかえてみることができる。
いつもこの見方ができれば、一喜一憂することなく気持ちが安定する。
また他者のなかに自分をみることもできる。
世の中のうまくいっていないことの解決法のヒントがあるかもしれない。
いま本棚にあるのは2冊目で、1冊目はある人にあげてしまった。
その人は俗世の一切を捨ててギャンブルの研究を5年間していた。
その研究生活に終止符を打ち社会復帰する際、本人の希望でこの本を渡した。
その人がどんな思いでこの本をリクエストしたのか分からないし、いまどうしてるかも知らない。
2冊目の本書もほとんど開くことはない。
読まないんだけど最初に開いたときの衝撃が強過ぎて、ときおり背表紙をみて本の存在を確認して、いまでも気持ちが弱ったときに支えてくれる。
僕にとってもとても不思議な一冊だ。