入社直後のBiz体験が最速で顧客・事業への解像度を高める
こんにちは。アルプのカスタマーサクセスの水谷(@ryoji0112)です。
アルプは、サブスクリプションビジネスを行う企業向けに、今まで手作業や自社開発がスタンダードだった契約や請求管理を SaaS として提供する Scalebase というプロダクトを開発しています。
アルプでは職種を問わず、入社する新メンバーには、カスタマーサクセス(以下、CS)のお客様との打合せやセールスの商談などに同席してもらっています。
今回は、CS・セールスを体験することがいかに事業に対する解像度を高めるかを参加者の声と共に発信します。
お客様を知ることで見えてくるプロダクト・事業の価値
この施策を導入した2021年夏ごろは、ちょうど以下のようなタイミングが重なっていた時期でした。
エンジニア・ビジネス部門以外のメンバーとして初めて1人目コーポレート・1人目人事が入社
毎月複数名の新メンバーが入社
"カスタマーサクセスは全社で意識するべきである"という思いから「カスタマーサクセス」の職種名を「アカウントマネージャー」に変更※本noteでは混在を避けるために「カスタマーサクセス(CS)」と統一表記
エンジニアやビジネスメンバーは、日常的にScalebaseに触れ、顧客とコミュニケーションをとれる一方、コーポレートや人事はその機会が少なく、事業やお客様への解像度に差が出てしまうのではないか、という課題がありました。
昨年、夏のある日のオフィスで代表の伊藤(@itokin)と「全社でカスタマーサクセスを意識するために、お客様とのコミュニケーションの機会を設けるべきだと思う。欲を言えば、特定の職種に限定せず、入社した全員にCS業務をしてもらうのが理想。」という会話がありました。
その後、1人目人事の深澤(@fmiyu_61)が「候補者にもっと解像度高く事業やお客様のことを話したい」という相談を受けて、早速試験的に実施することにしました。
そんな話をする数日前、実は、1人目コーポレートの堀からも同様の相談を受けていました。
アルプに入社してくれるメンバーは、Scalebaseの事業を自分ごとと捉えているからこそ、お客様がアルプに感じている価値に直接触れる機会を求めているのではないかと考えていたので、この施策がもたらすメリットに確信を持てました。
施策を通して触れる新メンバーの思考
入社したその日に下記のNotionページを用いて説明をしているので、そのまま貼ります。
やっていることは非常にシンプルです。
新入社員オンボーディング用のNotionの抜粋
実施内容
もう少し詳細にお伝えすると、以下のことを実施しています。
実施期間は2週間(CS体験3~4回・セールス体験2~3回)
打合せ/商談の前に、担当アカウントマネージャーとセールスからSlackで内容を共有
例)オンボーディングフェーズでデータ移行中、サポートフェーズで安定運用中の定例会、インバウンドの初回商談 等
打合せ/商談の開始時にお客様に同席している旨をお伝え
終了後に打合せ内容の解説や感想戦
気づきや感じたことをesaで社内に発信 ※後ほど直接貼付けしてご紹介します!
新メンバーは通常業務のキャッチアップをしながらで、情報過多かつ大変な時期にも関わらず、
事前準備を見て仮説をぶつけてくれる
お客様のHPやLPを見て調べた情報を共有してくれる
「議事メモは取らなくてOK」と伝えても、手元のメモを送ってくれ、そこに個人の所感が書いてある(かなり示唆になる)
終わった後に御礼や感想をSlackで送ってくれる
感想戦でこの施策自体の改善に向けたフィードバックをくれる
などなど、前のめりに取り組んでいただき、本当にありがたいです。
とりわけ感想戦は、職種に関わらず、商談の次の一手やCS打合せで出たニーズ対応のアイデアが出るなど、アルプの大事なバリューの1つであるオーバーコミュニケーションを感じる瞬間です。
そして、この後は、体験の所感をまとめたesaを抜粋するのですが、このesaも初めから皆さんにお願いしていたわけではなく、1番初めにこの施策に取り組んでくれた深澤が自発的に感想をesaで発信してくれた内容がとても良かったため、ぜひ他のメンバーにもお願いしたいと施策に加えたものでした。
この発信は、新メンバーがコミュニケーションを通じて、お客様がScalebaseの価値をどう感じるのか知る機会であると同時に既存のメンバーが新メンバーの考えていることに触れる一つの方法にもなります。
それぞれの職種の視点で見るBiz体験の価値(実際の参加者の声)
ここからは参加者の発信内容をいくつか紹介します。
営業経験者ならではの視点で、アルプのセールスが大事にする「真摯さ」を紐解くような感想です。
また、まだちゃんと整備されていない状態で施策に参加してくれたにも関わらず、目的志向を持って臨んでくれたことで、「プロダクトやお客様の特性に基づき、どのような候補者の方に声をかけるべきか」という視点が合わせやすくなり、その後の採用関連のコミュニケーションがとてもスムーズになりました。
少し細かいですがどこも削りたくなかったので、ぜひ全文を見ていただきたいです。
体験が、お客様情報が流れる関連チャンネルの存在と情報に高い価値を見出すきっかけとなりました。
お客様に強い興味を持ち、お客様視点に立ってより良いものを開発したいという強い意志、そしてそれを全体に発信してくれるエンジニアがいることが、アルプの強みだと思っています。
前職でSaaS事業でのIPOを経験した、ドメインの解像度が高いメンバーにも、もちろん体験してもらっています。手前味噌ですが(笑)、そんなエキスパートから、Bizメンバーへのお褒めの言葉をいただきました。
しかし、伝えたいことはそれではなく、改めてこの複雑なドメインと向き合うためにはDevとBizが一体になる必要があり、、そこを重要視している組織こそがお客様に提供できる価値=差別化であると自信を持つことができました。
※ドメインエキスパートって何する人?については下記のnoteをご参照ください。
その他にも、PdMやデザイナーなどからもとても素敵なコメントをいただいたので、また機会があればご紹介したいと思います。
Biz体験の3つのメリット
①Scalebase・ドメイン・顧客への解像度が高まる
我々はScalebaseを通じて「企業が創造的な価値提供に、よりフォーカスできる社会の実現」というミッションを目指しています。
どのお客様の、どういった課題を、どのような手段で解決できるのかに対して、アルプメンバー全員が解像度を高めています。
Biz体験=お客様とのコミュニケーションという手段から、各職種が各々の視点で気づきを得てもらってから各自のミッションに取り組んでもらうことで、業務に無機質さを感じづらくなり、1つ1つのタスクの先にお客様がいる実感が持てるようになります。
Scalebaseをご利用いただいているお客様のために、何が何でも責任を果たそうと自然と思えるようになり、それこそがアルプが掲げる「全社での真摯なカスタマーサクセス」につながると考えております。
②職種を超えたコミュニケーションが必然的に生まれる
Biz体験は、新しいメンバーとすべてのCS・セールス担当がコミュニケーションを取れるように設計しているので、必ず全ビジネスメンバーとのコミュニケーションが生まれます。
これは、アルプの大切なバリューの1つである「オーバーコミュニケーション」を意識する入り口になると考えています。
リモートワークが習慣化しつつある中で、入社後すぐにいきなりチームや職種を超えた業務上のコミュニケーションはハードルが高く、かと言って雑談する機会も積極的に作りにくいのが実状です。
このBiz体験はほどよくコミュニケーションを取り相互理解の質を高められる機会であると同時にアルプのバリューや共通の価値観を共有しつつ、今後仕事を一緒にしていく上で、お互いに想像力を持ったコミュニケーションを実現できる手段です。
③職種同士での信頼感が醸成される
具体的かつ生々しいビジネスの現場に入っていただくため、ビジネスチームが普段メンバー間でどのようなコミュニケーションを取っているかがわかります。
これもアルプの大切なバリューの1つである「相互信頼」を意識してもらえる入り口になると考えています。
Bizメンバーが大切にしている真摯なコミュニケーションは、言葉だけでは伝わりきらないので、新メンバーに信頼していただくための行動を自ら進んで行うことが重要です。
新メンバーが書いたesaには自身の気づきとともに、「Bizの真摯なコミュニケーションが刺激になった」「Bizの活動が超大事で、この活動があるからこそお客様が増えていくんだと実感」「(CS・セールス)の◯◯さんのコミュニケーションがさすがだった」など、Bizメンバーへのお褒めの言葉も多く、実際に行動で伝えられているのかなと、感じています。
入社してすぐにこのように強固な信頼関係を構築できれば、お互いを全力で信頼した上でプロダクトづくり、お客様にフルスイングすることができますね!
これらのメリットを感じていただき、「ぜひこの文化を続けてほしい」と必ず書いていただけていることがとてもありがたいです。
新たに入ってくれるメンバーもまたアルプの文化を醸成していく仲間として、この施策を一緒により良い施策へと改善していければいいなと思っています。
最後に
プロダクトをさらに磨き込み、お客様にお届けするにはまだまだメンバーが足りません。
お客様視点で事業推進に取り組むメンバーばかりの組織のことが、少しでも気になった方がいらっしゃれば、
まずは情報交換などお話の機会をいただければと思います。ぜひお気軽にお声がけください!