コミュニケーションの土台づくり 009
こんにちは。「このはな療育室」の、さつきです。
療育に通ってこられるお子さんの中には、
コミュニケーションの誤学習を積んでいる方が
いらっしゃいます。
周囲から正しい理解が得にくい環境の中では
やりとりのずれ、や
意図理解の悪さからの「できなさ」が目立ってしまうことが
あります。
状況を察することができない場面では、
不安の高い状況なのに、
周囲から「できない」ことを指摘されてしまうことも
あるでしょう。
周囲が無理解な環境下では、
やり取りをして、自分の思いが伝わった経験
応じてもらえた経験
援助要求が受け止められた経験など、
コミュ二ケーションが楽しい、という経験を
積み重ねることはできません。
お子さんは、
どういったらいいのかわからない、
たすけてほしい、
大人を呼びたいのにどうしていいのかわからない、といった場面で
たまたま、おおきな声を出したら幼稚園の先生が来てくれた
高いところにのぼったら、先生が抱っこしてくれた
ものを壊したら(壊れたら)、お母さんが抱きしめてくれた…
こんな経験をたよりにして、
不適切と思われる行動を
コミュニケーションの方法として、繰り返してしまいがちです。
コミュニケーションの土台を再構築するためのセッションでは、
まず、療育者は応じてあげることをくりかえし、
嫌なことを強要しない、されない、という信頼関係をつくります。
それができてから、
お子さんの好きなもの、興味の持てるものを
活動に取り入れ、
お子さんが療育者からの提案に応じる、というあらたな経験を
積み上げていきます。
それができるようになると、
お子さん自身が、やりたいことを選択する、順番を決める、
療育者と決めた決まり事に応じる、、、、
といった、双方向のコミュニネーションを
練習することができるようになります。
コミュニケーションの誤学習を
重ねてきているお子さんに対して、
コミュニケーションを育む土台を再構築するための療育は、
非常に重要である、と思っています。