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「選ぶ」権利はお互いにある
先日、就労移行支援の1人の利用者さんの企業への面接が控えていたので面接練習をした。
面接でよく聞かれる「志望動機」だったり、「長所・短所」だったり、障がい者雇用で聞かれることが多い「配慮事項」であったり。
でもそれと同じかそれ以上に考えてもらったことがある。
それが「企業に対しての質問」だ。
働き方だったり、環境面だったり、金銭麺だったり、仕事内容だったり。確認しておきたいことは全部聞いてくださいね、と。聞き逃すことがないように、あらかじめ全部書き出しておきましょう、と。
面接には必ず逆質問というものがある。
企業側が候補所に対して「何か質問はありますか」というもの。
私自身も数年前就活生として面接をしていたときに聞かれていた。その当時の自分はこの逆質問にすごく頭を悩ませていた。
なぜならこの逆質問も「面接の見られるポイント」という噂を聞いていたから。
当時、どの企業に対しても、
「よく見られたい、、!」
と思っていた自分は、”自分が聞きたいこと”というよりも”聞いたらウケがよさそうなもの”を探していた気がする。そんなの所詮自分の主観でしかないのに。
当時のこの考え方が間違っていたということに気づいたのは、新卒採用に関わらせてもらうようになったから。そこで気づいたのは、候補者だって企業を選ぶ権利があるんだ、ということ。
そりゃそうだ。
選ぶということはその人の人生がかかっているのだから、その人にとって一番の選択をしてもらわないといけない。就活はその企業に入ることがゴールじゃなくて、入るのはむしろスタートだしね。
だけど学生時代の自分はその考えが抜けていた。
内定欲しさに必死だった。
だから今、学生と面談をする時は徹底的に聞くことを意識している。気になることは何でも聞ける雰囲気づくりをしている、聞かれたことに対しては本音を全て話すようにしている。
一企業の新卒採用に関わっている人間としてと同じくらい、一人間としてその方の人生がより良いものになってほしいから。
話を就労移行に戻して。
だから面接を控える利用者さんにも聞きたいことは、伝えたい要望は伝えましょう、と伝えた。
伝えたい想いを伝えきれず、入ってから我慢して辛い想いをする可能性があるのは本人自身だから。それによって定着しなかったら本人にとっても企業側にとっても辛いから。
万全な準備をして臨んだ面接。
「聞きたいこと、伝えたいことは全部伝えられましたか?」
と聞くと、堂々と
「伝えられました!」
と言っていた。その表情はすごく晴れやかだった。
改めて新卒採用に関わっている経験ってすごく大きいなと思っている。
学生時代あれだけ「選ぶ側」だと思っていた相手が、実は相手も「選ばれる側」という意識があるということに気づけたから。
どっちも「選ぶ側」であり「選ばれる側」であるということ。
そこに優劣なんかなく、対等であるということ。
そう考えれば変に緊張することもなくなるし、
もっと自分のことを知ってもらおうと
ありのままの自分を伝えることが出来るはず。
変に大きく見せようなんかしないでね。
このことを、学生時代の自分が知っていたらどれだけ楽になったかと思うこともあるけれど、きっと「言っても信じないだろうなぁ」と思う節もある。
経験こそが何よりも自分への証明になるから。
わからない自分も大切だし、わからないがわかるに変わる自分も大切。
だから当時はあれはあれでよかったのかなって。
わかった段階から行動を変えていけばいいからね。
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